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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は領地で暗躍する

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閑話:悪役令嬢はお風呂に入りたい・後編(リリアーナ視点)

「曲げた配管に加熱用の魔法陣を取り付けただけなんですよね? この程度の内容なら、売られた瞬間みんな真似して広まっちゃいますよ」

「ああ、構造は単純だからコピーされたら終わってしまうのか」

「兄様、アイデアを守る法律とかないの?」

「商業ギルド内で技術やノウハウを秘匿することはあるが……模倣を取り締まる法はないな」


 ヨーロッパ的ファンタジー世界に、特許や著作権という概念はまだないらしい。

 ディッツがにやーり、と笑った。


「真似されたくなきゃ、秘密にしろってことだな。じゃあ……こうしたらどうだ」


 ジェイドの書いた魔法陣の隣に、複雑怪奇な魔法陣を書き始める。


「何コレ」

「ジェイドの魔法陣と同じものだ。どこがどうなってるかわからないよう、暗号化してあるが」

「すごい!」

「魔法使いの世界も、情報の秘匿と模倣の戦いだからなー。配管の途中で加熱するっつーアイデア自体は漏れるだろうが、安全に加熱できる魔法陣のノウハウを秘密にすれば、優位に立てるんじゃねえかな」

「んー、暗号化されてるだけなんですよね? 定着液のおかげで崩れにくいわけですし、私なら、図形を丸ごとコピーして使いますね」

「う」


 フィーアの容赦ないツッコミが入って、ディッツがうなる。

 過酷な人生を歩んできたせいか、フィーアはモノの見方がシビアだ。


「開発者が許可した場合しか魔法陣が使えないようにするシステムが必要だな」

「利用者を限定するシステムも欲しいですね」


 フランと兄様が難しい顔で考え込む。

 活性化と利用者の制限……なんかどこかで聞いたような話だなー。


「あ! アクティベーションコードと、ユーザ登録!」

「なんだそれは」


 急に叫んだ私を、全員が見た。


「えーとね、魔法陣ごとにコードを決めておいて、入力した時だけ利用できるようになるシステムのことよ。ユーザ登録っていうのは、その名前の通り使う人たちを登録するもの、かな?」


 コンピューターのOSとか、有償アプリでよく見かける手法だ。

 ソフト全体の利用を開始する時に必要なコードが、アクティベーションコード。権限ごとに利用者を設定するのがユーザ登録。


「それだと、アクティベーションコードが漏れた瞬間、全部使えるようになりませんか?」


 フィーアが耳をぴくぴくと動かして言う。


「だから、魔法陣ごとに別々のコードを設定するの。全部!」

「全部、だと……?」


 ディッツが目をむく。


「あー……そうなると、毎回作り直しに……いや、コード入力の部分だけ別にしておいて、後から追記できるようにすればいいのか。ユーザの登録も別ユニットにして……」

「ディッツ、できるの?」

「時間があれば……まあ、できなくはない、か?」

「師匠、ボクも手伝おうか?」

「頼む。俺ひとりじゃ無理だ」

「でもそうなると、商売として流通させるには使い勝手が悪くなっちゃいますよねえ」


 フィーアが残念そうに言う。

 でも、兄様はそれを聞いてにっこりと笑った。


「そうでもないよ。設置工事にメンテナンスとコードの管理、全部まとめたサービス業として商売にすればいい。幸い、初期投資に必要な資金も、人脈もあるから」


 さすが名家。

 いざ何かやろうとした時のフットワークが軽い。


 それを聞いていたフランが紙に何かメモを書きつけて、兄様に渡した。


「湯を多く必要とする高位貴族の屋敷や王宮なら、かなり需要があるだろう。姉上が好きそうな内容だから、王都に戻ったら協力を仰ぐといい」

「ありがとうございます、先輩」


 おお……本当に商売が成立してしまった。


「天才が集まるとすごいな……」


 私がつぶやくと、フランが苦笑する。


「何を他人事のように言ってるんだ、お前が発端だろう」

「私は単にお風呂に入りたかっただけよ。事業化まで考えて言ってないもん」

「それでも、リリィのようにワガママを言う者がいなければ、何も始まらない。だからこの事業はお前のおかげだ」


 兄様がクスクスと笑う。


「そうだ、せっかくだから給湯システム商会の紋章はハルバードと乙女の横顔をモチーフにしよう。リリィの知名度が爆発的に上がるよ」

「それはやめて!」


 それ、歴史に「風呂に毎日入りたいとワガママを言った令嬢」って名前が残るやつじゃん!

 絶対嫌ああああああああああ!!!


 その後、魔力式給湯システムは貴族を中心に空前のお風呂ブームを巻き起こし、ハルバードに莫大な富をもたらすことになるんだけど……それはまた、別のお話。






読んでくださってありがとうございます!

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