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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は領地で暗躍する

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とりあえず服を脱げ

「今のフランは、寝たきりで全身の筋肉が凝り固まってる状態でしょ? そこに意図的に雷魔法を使って、強制的に筋肉を動かすの」

「筋肉を動かせば、血が流れる……雷を使ったマッサージか」


 話を聞いていたディッツが、無精ひげの生えた顎をぽりぽりとかく。


「ね、いいアイデアでしょ? これなら、力の弱い私でも魔力さえあればマッサージできるわ」

「使う場所を選ぶ必要はあるが……まあ、ケア方法としては間違ってないか」

「よし、主治医の許可が出たわね。フラン、脱いで!」

「何故脱ぐ必要が?!」

「さっき言ったじゃない。雷魔法には伝わりやすい素材と、伝わりにくい素材があるって。シャツみたいな衣類は、雷魔法が伝わりにくいから、直接触るの」


 だいたい、フランの肌なんて傷の治療でさんざん見てるんだから、今更だと思うのよね。


「傷の手当てと、直接ぺたぺた触るのは別の話だろうが」

「治療に恥じらいを持ち込むのはどうかと思うわ」


 抵抗していても、所詮相手は右足を固定されたけが人である。

 私は問答無用でフランの左足を掴むと、マッサージを開始した。


「痛かったら言ってねー」

「ぐっ……いいかげんにしろ……と言いたいところだが、くっ……足が……楽になっていく……」

「ふっふっふ、誉めてもいいのよ?」


 どうせまた眉間に皺を寄せて難しい顔をするだけだろうけど!

 と、思っていたら、不意に頭に大きな手が乗せられた。フランの手はなでなで、と私の頭をかきまぜる。


「ふぇっ!?」

「なんだ……お前を誉めるときは、頭をなでるといい、とアルヴィンに聞いたんだが。違ったか?」

「ち、違ってないけど!」


 誉めるときはちゃんと予告してから誉めて!

 手元が狂って大電流を流すとこだったよ?!


「雷魔法を使った治療か……使いようによっては、医学を一歩も二歩も進歩させるだろうな……」


 私のマッサージを見ていたディッツがなにやら考え込み始めた。


「……危険だな」

「どこが?」


 わたしがきょとんとするとディッツは器用に片方の眉だけ上げてみせた。


「人間の体は、小さな雷で動いているんだろう。それは、心臓や脳も同じだな?」

「そうね」

「心臓や脳に直接、フルパワーの雷魔法を食らわせたら、どうなると思う?」

「えっと……死んじゃう、かも?」


 現代日本では有名な武器、スタンガンと同じだ。

 人体に大電流を流せば昏倒するし、場所が悪ければショックで死ぬ。


「で、でもでも、事故とかで一瞬心臓が止まっちゃった人に雷を落とせば、もう一度動き出すことだってあるわよ!」

「ああ、そういう可能性もあるな」


 そう言いつつも、ディッツの顔は渋いままだ。


「……お嬢、俺だって何もこの技術を否定したいわけじゃない。多くの人間を助ける、素晴らしいものだと思う。だが、今言ったような懸念がある以上、軽々しく広めていいものじゃない」


 わかるな? と言われて、私はうなずくしかなかった。

 現代日本でもスタンガンは規制されてたし、大きな電流を使った医療器具は厳重に管理されていた。ディッツが言いたいのはそういうことなんだろう。


「……」

「しょげるなしょげるな! 何も使うなって言ってるわけじゃない。信用できる人間相手には治療していい。攻撃魔法として応用を考えるのも自由だ。ただ、俺がいい、と言うまでは他人に見せるなってだけだ」

「はーい……」

「待ってろ。お嬢が我慢しているうちに、俺が学会で発表してやるから」

「……はい?」


 学会? どゆこと?


「下手に広まるとまずいなら、うまく広めたらいいってことだ。これでも医学薬学のジャンルではそこそこ名前が知られてるからな。注意点とあわせてうまーく医学会に報告してやるよ」


 そういえばこの魔法使い、二つ名がつけられるレベルの薬学の権威だった!!


「論文にはお嬢の名前も載せる。手柄の横取りはしねえから安心しろ」

「いや別に、私ひとりじゃ論文なんて書けないから、そこはディッツの手柄でいいんだけど……」

「ダメだ。お嬢の発想あってこその結果だからな。絶対載せるぞ」

「ええ……」


 発想っていっても、現代日本の理科知識だから本当にどうでもいいんだけど。でも、論文の特許に何やら思い入れがあるらしいディッツは聞いてない。

 放っておくしかないのか……と思っていたら、再び頭にフランの手が乗せられた。


「いい師匠を持ったな」

「そうらしいわ」


 フランに頭をなでられて、私は苦笑した。




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