表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は婚約を破棄したい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

567/592

記録映像

 最初に映し出されたのは、暗い通路。そして、ぐったりと意識のない女性を抱える銀髪の少女の姿だった。


『タニアは私が連れていくから、明かりをお願いしていいか?』


 クリスがカメラを振り返る。続いて私の声が響いた。


『私も支えるわよ』


 声だけで、姿が映らないのは私が撮影者だからだ。タニアを抱えながらクリスは首を振る。


『いや、この道幅で三人固まって歩くほうが危険だ。私の体力なら、左手一本でも十分タニアを支えられる。リリィは何かあった時のために、明かりだけ持っていてくれ』

『わかったわ』


 クリスが前を向いて歩き始める。カメラもそれを追うように移動し始めた。一定距離をとって、こつ、こつ、と少女たちの足音が続く。ふと、カメラが止まった。


『クリス、止まって! ここも罠よ!』


 私の叫び声が響いた瞬間、暗闇の中から何かが飛び出した。


『死ねえ!』

『クリス!』


 何かは、まっすぐクリスに襲い掛かっていった。バシン!と音がしてクリスが片腕一本で襲撃者をあしらう。しかし、すぐにがくりとその場に膝をついた。


『かすり傷だ! ……ぐっ?!』

『飲んで!』


 コン、と音がして何か小さなものが視界をかすめる。それを受け取ったクリスが、躊躇なく中身を飲み干す。そして、視線はクリスからゆっくりと襲撃者へと移動した。

 髪を振り乱し、ナイフを握りしめたローゼリアの姿を正面からとらえる。


『即効性の毒も、使えるのね』

『コレには、呪いをかけた特殊な毒が塗ってあるの。何を飲ませたか知らないけど、すぐに死ぬわよ』

『ふうん、その程度かあ』


 目をぎらつかせる暗殺者と、気位の高い令嬢の挑発が響く。ざわ、と別の意味で貴族たちが動揺した。

 令嬢らしからぬ口の悪さは見逃してほしい。

 普段はこんな悪態ついてないから。暗殺者を揺さぶろうと、わざと攻撃的な言動してるだけだから。普通のご令嬢はそもそも暗殺者を挑発しようなんて考えない、とかそういうつっこみもしないでください。とにかく必死だっただけなので!


『どこまでも癪にさわる……! リリアーナ・ハルバード! お前だけは許さない!』

『接待に失敗して、ご主人様に叱られた? そこまで恨みを買うとは思わなかったんだけど』

『覚えがない? はっ……お嬢様は気楽なものね!』

『だって、そういう身分だしぃ?』


 私の声はさらに暗殺者を煽る。


『侵入者がないはずの離宮で、どうしてタニアが倒れてたのか、やっとわかったわ。あなた、抜け道を通って入り込んでたのね。でも、どうやってここを知ったの? コレは大事な王家の秘密よ』

『私に秘密を教えてくれたのは、父よ』

『シュヴァイン……フルトだったっけ? そんな人、近衛にいたかしら』


 ローゼリアは首を振った。


『それは、記録上の父よ。本当の父の名はヴォルフガング・マクガイア。お前たち宰相派に殺された、騎士団長だ!』


 おお……とうめき声のようなどよめきが起きた。ローゼリアがマクガイアの娘だってことは、既知の事実だけど、こんな風に宣言する姿は見てなかったから。

 スクリーンでは私の声に問われるまま、ローゼリアがぺらぺらと事件の裏事情を語っている。私を殺して口封じできる、と確信があったからこそのネタばらしだけど、こうやって見ると少し間抜けだ。

 最後に、私の声はこの審議でずっと争点になっていた疑問を口にした。


『それでも、やっぱり疑問は残るわ。マクガイアの交友関係は、徹底的に調べられたはずよ。真実の愛で結ばれるほど仲がいいなら、見逃されるはずないんだけど』


 謁見の間に集まった者のほとんどが持っていた疑問を、私の声が代弁する。にい、とローゼリアは口をゆがませた。


『家族を亡くした私を哀れに思い、父たちの関係を示す証拠を、火にくべてくださった方がいたのよ』

『……それが王妃なのね』

『王妃様は、私の命を救ってくださったばかりか……復讐の機会まで与えてくださった! 私は王妃様のためにも、お前たち宰相派を殺さなくてはならない』


 ローゼリアは自分をかばった黒幕の名前を言いきった。それどころか、自分が復讐しようとしていることを王妃が知っていた、とまで証言してしまった。

 記録映像の中で私とローゼリアの舌戦が続く一方で、謁見の間に集まった人々は押し黙ってしまった。


『解毒なんか、できないくらいに切り刻んでやる!』


 ローゼリアの金切り声が響いて、画面が揺れる。そこで動画はぷつんと切れた。

【クソゲー悪役令嬢コミカライズ】

2025年12月25日、マイクロマガジンより①巻発売!


【クソゲー悪役令嬢書籍】

2025年12月19日、ナンバリング⑦巻発売!


詳細は活動報告を参照してください!

小説版もコミック版も、どちらもよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズ①巻12月25日発売!
https://img1.mitemin.net/dj/zl/3wkif4ur6gwvjhk43tmrckclikh6_hvt_140_1kw_17utt.jpg
書籍⑦巻12月19日発売!
if5xkaf24p7benpdg9mgb811imr4_e3n_xc_hi_f9ns.png
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ