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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は婚約を破棄したい

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城主の提案(フランドール視点)

「何か手があるのか?」

「城の裏手に、抜け道があるんです」


 グラストンがモニターをタップした。城壁と建物の影になっている空間が拡大される。


「堀の外からここ……そして、城主の居室へと通じています」

「王家の抜け道のようなものか」


 城はただ侵入者を拒むために作られるのではない。いざという時の脱出口も必要だ。

 だから、抜け道があることに驚きはしないが。


「なぜ今まで言わなかった?」


 問うと、グラストンはへにゃりと眉を下げた。


「お恥ずかしい話ですが……ここ数代、ランス家は失策が続いていたでしょう?」

「……まあ、そうだな」


 二百年前にランス家三男が、長男の婚約者だった王女と駆け落ちして以来、ランス家は不遇を強いられてきた。歴代当主は状況を打開しようと賭けに出ているが、そのほどんどは失敗している。先代ランス伯も、銅山で出る精錬廃棄物を使った染料事業を興そうとしたが、結局体を壊す結果に終わっていた。

 ランス家の不幸をしょって立つ羽目になったグラストンに、面と向かって言うわけにもいかず、俺はぎこちなくうなずいた。


「騎士の名門と言いつつも家計は火の車で、誰も使わないカビた抜け道の整備なんて、何十年もやってないんですよ。おそらく若手は存在すら知らないでしょう」

「つまり、使用できる可能性が低い、と」

「はい。まず城外側の入り口を発掘しなくてはなりませんし、中に入れたとしても、途中のどこかで崩落している可能性があります」


 人の手の入らない建造物はすぐに壊れててダメになる。いざという時に使えるよう、王家の抜け道も、近衛が秘密裏に整備しているはずだ。


「それに、ヘルムートに知られている可能性もありましたので」


 はあ、とグラストンは息を吐く。


「ランス城には、古株の騎士が何人も仕えていました。彼らがヘルムート側についたのなら、当然抜け道のことも伝えているのだろう、と思っていました。しかし……」


 グラストンの眉間にぎゅっと皺が寄る。


「彼らは全員すでに死んでいました。物言わぬ屍となった彼らから、情報を引き出すことはできないでしょう」

「騎士からヘルムートに抜け道が教えられた可能性は低い、と。ヘルムート自身が、もともと知っていた可能性は?」

「ありません。あいつは王都生まれで、五歳で王宮に召し上げられてから、一度もランス領に来ることはありませんでしたから」


 先代ランス伯は、長男グラストンを跡取りとして厳しく躾けた一方で、次男のヘルムートにはほとんど興味を持たなかったと聞く。

 城に関わる極秘情報をわざわざ教えたとは思えない。


「だめでもともとだ。一度賭けてみるか」


 俺たちは抜け道を中心に、姫君奪還作戦をたてることにした。

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