現状確認(フランドール視点)
「お久しぶりです、グラストン先輩」
アルヴィンはグラストンにも『先輩』をつけて笑いかける。彼もアルヴィンにとっては王立学園の先輩だったからだ。
男子学生寮では三年に俺、二年がグラストン、一年がアルヴィン、とそれぞれ別学年ながら特別室に部屋をもち、ともに学んでいた。
「君が支援に来てくれたのか。うれしいよ」
戦場に現れた知己に、グラストンも表情を和らげる。一方、アルヴィンは表情を曇らせ、遠慮がちに尋ねてきた。
「あの……もしかして、ランス伯とお呼びしたほうがよかったですか?」
グラストンの紋章付きブローチと、服喪の白い腕章を見て彼のおかれた状況を察したのだろう。しかしグラストンは首を振った。
「今はいい。まだ書類上の手続きをしただけだからな。この戦の決着をつけた後、まだランスが残っていたらそう呼んでくれ」
「わかりました。次に王都でお会いした時には、伯爵と呼ばせてください」
必要以上にはつっこまず、アルヴィンはうなずいた。
「アルヴィン、周辺の状況を何か聞いているか?」
指揮官として斥候からある程度報告はされているので、大まかに状況は把握している。だが、聡いアルヴィンの目から見たランス城の状況に興味があった。
「周りは静かなものですよ。城外は街も村も、城とはいっさい関わりがありませんから」
「いっさい? 何も?」
後輩の言葉が信じられず、俺は思わず聞き返してしまった。しかしアルヴィンは静かに首を振るだけだ。
「ええ、何も」
アルヴィンの答えに俺は眉をひそめた。
「ヘルムートがランス城に籠って、もう半月以上が経過しているんだぞ。外部と関わらずどうやって生活しているんだ」
城の内情を知るグラストンも首をかしげる。
「ランス城には複数の食糧庫があり、籠城戦にそなえて普段から大量の物資が蓄えられていました。ですので、一時的に外部との関わりを絶つことは可能です。しかし……半月経ってもなお……となると、にわかには信じられませんね」
「中の様子を探りたいところだが、あの状態ではな」
俺はランス城を見た。数百年前に戦の要として作られた城は堅牢で、掘は深く塀は高い。つい最近まで出入りしていた王宮内要塞、『王女の離宮』がおもちゃに見えてくるほどだ。
「斥候を出すにしても、少人数であの塀を越えるのは難しいでしょうね」
「要所に見張り用のやぐらが設けてあります。気づかれずに塀に近づくのは不可能ですよ。それこそ空でも飛ばない限り……」
「なるほど、空か」
俺はふむ、とうなずいた。
「フラン先輩?」
「空を飛ぶ手段ならすでに手中にある。使い魔に中を探らせよう」
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