知己との再会(フランドール視点)
ランス領に到着した俺を出迎えたのは、かつての後輩だった。
「フラン先輩!」
黒髪に赤い瞳の青年は、ランス城に到着した俺たちを見つけると、こちらに駆け寄ってきた。俺も馬から降りてアルヴィンに声をかける。
「ハルバードから支援があるとは聞いていたが、まさか領主代理本人が来るとは思わなかったぞ」
「敬愛する先輩の初陣ですから。最大限のサポートをしなくては」
「モンスターはハルバードにも出ているだろう。お前がこっちに来てよかったのか?」
日々スマホごしに報告される被害状況を思い出しながら言うと、アルヴィンは首を振った。
「ご心配には及びません。リリィの補佐官時代に三年間、ハルバードの正規兵をまとめていたのは先輩でしょう。彼らの強さを信じてあげてください」
しかし、と言いかけてやめた。
アルヴィンは冷静で視野の広い男だ。自らここに来たということは、領地を留守にして問題ないという確信があるのだろう。これ以上の詮索や心配は、逆に彼への信頼を否定することになってしまう。
「見てください」
アルヴィンが己の後ろを振り返った。そこには兵士と荷馬車がずらっと並んでいる。
「ハルバードからの人的支援は五百名。ほとんどは工作兵や軍医、料理人など後方支援の技術職となります」
「助かる……」
俺は素直に頭をさげた。
急な出兵のため戦闘員をかき集めるのが精いっぱいで、専門技術を持つ支援要員がまったく足りていなかったのだ。
「それだけじゃありませんよ。武具、防具、テント等野営に必要な機材もご用意しています」
それらも自軍に不足していたものだ。
実を言うと、大災害にあった王都市民を救うため、王宮の倉庫は一度ほぼ空になってしまっている。復興させながら改めて備蓄を始めていたが、各地のモンスター出現のせいで思うように進んではいなかった。
「特に、食糧は潤沢にご用意しました」
にや、とアルヴィンが笑う。
「豊穣の国ハルバードの名にかけて、王国軍を決して飢えさせないと誓います」
「お前をこれほど頼もしいと感じたことはないよ。恩に着させてもらう」
「ふふ、あまりお気になさらず。これは俺自身のためでもあるので」
「うん?」
首をかしげると、アルヴィンは軽く肩をすくめた。
「だって、ここで先輩に死なれたら、マリィと結婚できないじゃないですか」
「ああ、そうだったな」
俺とアルヴィンは、お互いの姉と妹を交換して同時に娶ることで結婚が成立する。どちらかが欠ければ、その時点で想う相手とは結ばれなくなる。彼にとっては俺も大事な人生の1ピースというわけだ。
アルヴィンはいたずらが成功した子供のような顔でくすくすと笑う。こういう表情はリリィそっくりだ。違うようでいて、やはり兄妹なのだなと妙なところで納得してしまう。
「アルヴィン?」
別方向から声がかけられた。ふたりしてそちらを見ると、指揮官のひとりがこちらに向かってくる。彼の胸にはランス家の紋章が刻まれたブローチが輝いていた。グラストン・ランスだ。
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