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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は婚約を破棄したい

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私達にできること

「この件には邪神の化身であるユラが関与しています。ここまで騒ぎを大きくしておきながら、簡単に解決させてくれるとは思えません」


 ひどい人物評だが、おそらくその分析は間違ってない。私も小さくため息をついた。


「油断した瞬間に、ぐさりと後ろから刺すのがあいつのお好みだもんね」


 これまで何度してやられたことか。

 ユラのにやにや笑いを思い出して、抑え込んでいたはずの不安がまた膨れ上がってくる。


「落ち着け。未成年で学生の俺たちはそもそも戦に関われねえ」

「わかってるわよ。ユラが糸を引いているならなおのこと、あいつのやり口を知ってるフランに任せるのが一番だって。でも……何かできないかしら。戦争以外の方法で」

「他ねえ」

「おかしいこと、言ってるかな?」

「いいや」


 ヴァンは首を振った。ケヴィンもうなずく。


「ハーティアが抱えてるのは、ヘルムートの反乱だけじゃない。東のアギト国からの侵略、魔の森に居座るダルムールのゾンビ兵、そしてあちこちに出現した伝説上のモンスター。いつどれが深刻化して、国が倒れてもおかしくないよ」

「俺も、他の問題に目を向けるのは、あながち間違っちゃいねえと思う」

「その中で私たちが手を付けられる問題といえば……王宮、かしら?」

「まあ、王都にいるからな」


 私たちは建国時から国政に関わってきた勇士七家の子供だ。実家の名前を出せば登城可能なのは、大法廷の一件で証明されている。


「しかし、王宮つっても何をどうするつもりだ? 問題なんか掃いて捨てるほどあるぜ」

「それはもちろん、セシリアの王位継承よ!」

「わ、私ですか?」


 突然話をふられたセシリアが、悲鳴のような声をあげた。今まで一令嬢として生きてきたからぴんときてないかもだけど、正当王位継承者が侯爵令嬢の侍女に収まってるのは、大問題だ。世界の命運にかかわる。


「王宮の地下に眠る空中母艦『乙女の心臓』と巨大ロボ『白銀の鎧』は大きな戦力よ。運用できれば各地のモンスターを一気に殲滅できるわ。アギトとの戦争にもきっと役立つはず」

「で、その復活には、セシリアの王位継承が必要、ってことだったか」


 私は大きくうなずいた。

 神造兵器はその絶大な力ゆえに、厳重に封じられている。王族直系の女子、つまり聖女でなければ、封印を解くことはできない。


「でも、逆に言うとこれってシステム要件でしかないのよね」

「しすてむ?」


 首をかしげるクリスに、私は説明を続ける。

「乙女の心臓も、もちおみたいなAIつまり機械が管理してるの。実際の王位継承の手続きとは関係ないから、王城に入り込んで水盤に触れることさえできれば、空中母艦にアクセス可能だと思う」

「ん~……システム上可能でも、現実的には難しいんじゃない?」


 ケヴィンが苦笑しながら首をかしげる。


「国の重要祭具なだけあって、水盤は常に精鋭の近衛が管理してる。結局、貴族たちの承認がなければ近寄れないよ」

「そっかー……」


 汚職騎士団長マクガイアの代ならともかく、現在の近衛騎士団長は宰相閣下が厳選した誠実な騎士だ。お金や権力で見逃したりはしてくれないだろう。

 アレにはコレが必要で、コレにはソレが必要……と、出てくる条件の多さに、頭が痛くなってくる。

 ヴァンもがりがりと頭をかいた。


「俺は今の状況でセシリアを王族と認めさせるのは、正直厳しいと思ってる。国王は偽物で、別に正当王位継承者がいるって話になったら、今まで信じてた貴族はもちろん、玉座に座ってる連中も黙ってねえだろ。特に王妃は徹底的に邪魔してくるぞ」

「国王の息子を生んだのが権力の根拠だもんね、王妃は」

「となると……まず最初にやらなくちゃなんねーのは、王妃の排除……か?」


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