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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は領地で暗躍する

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わかればよろしい

「昨日はすまなかった」


 翌日、朝からディッツの離れに集合してきた私たちを前に、フランドールは素直に頭を下げた。


「せっかくお前たちが助けてくれようとしていたというのに、その手を払うようなことをしてしまった。申し訳ない」

「先輩、どうか顔をあげてください。聞けば、何日も暗殺者に追われ続けていたそうじゃないですか。極限状態では判断が狂ってもしょうがないですよ」

「私はまだ許してないけどねー」


 うちの魔法使いを気絶させられたからねー。貴族に面と向かって抗議できないディッツに代わって、ここは私が怒っておかないと駄目よね。


「リリィ!」

「いや、いい。アルヴィン。昨日のアレは俺が悪い」


 私はフランドールに近づくと、彼の額をぺちん、と軽くたたいた。まあおしおきはこれくらいでいいでしょ。


「もう二度と『殺せ』って言わない?」

「ああ、そうだな。この命にかける……のはよくないな。この名前にかけて誓おう、今後自ら死を選ぶことはしない」

「じゃあいいわ、許してあげる」


 私が笑いかけると、フランドールは苦笑した。

 わかればいーのよ、わかれば!

 ひとりで得意になっていると、兄様が私を軽く小突いてきた。


「……リリィ、いいかげん口を慎め。年上の男性にする言葉遣いじゃないだろ」

「あ」


 そういえば、フランドールが死ぬ死ぬ言い出して、キレた辺りくらいから敬語がすっぽ抜けてたわー! いかんいかん、淑女としてふさわしい言葉遣いを心掛けねば。


「お恥ずかしいところをお見せしてしまって申し訳ありませんわ。ほほほ」

「別にいい。あれだけ言われたあとに取り繕われても今更だ、普通に話せ。なんだったら、名前もフランでいい」

「そうなの? じゃあ私もリリィって呼んでいいわよ!」

「リリィ!」


 兄様が悲鳴のような声をあげた。

 えー、本人がいいって言ってるんだから、別にいいじゃーん。


「アルヴィン、お前も気を遣わなくてもいんだぞ。すでに学園を卒業した俺は先輩でもなんでもないだろう」

「いえ、俺にとって先輩は先輩ですから」


 こういう堅っ苦しいところが兄様のいいところであり、悪いところでもあるのよね。


「まあ、どっちにしろ庶民の俺たちはほぼ全員に敬語だけどな……」

「師匠……そこ、気にするところじゃないよね」


「フランが前向きになったところで、作戦会議よ!」


 パン、と私は手を叩いた。


「これから、どう行動すべきか相談しましょ。もちろん、フランを無事にミセリコルデ家に帰すのが大前提ね」


 私の提案に異論を唱える者はいない。よしよし、このまま話を進めよう!


「まず、戦力分析だな。俺を狙った暗殺者集団は20人程度。ここに来るまでに10人ほどは仕留めたが、まだ相当数戦力が残っているようだった。恐らく、ここにいるメンバーだけで正面から戦えば全員殺されるだろう」

「俺は魔法を使えばそれなりに戦えますが、妹たちは戦闘訓練すら受けてませんからね」

「一番戦力になりそうなフランが、この足だし?」


 骨が砕けてしまったフランの右足は、添え木に固定されている。包帯でぐるぐる巻きのこの状態では、歩くこともままならない。


「逃げるにしろ、潜伏するにしろ、戦力の補充が急務だな。アルヴィン、ハルバード家に仕える護衛騎士に協力してもらえないか?」

「う」


 私たち兄妹は、言葉を詰まらせた。


「それが……そのう……」


 お互いに、顔を見合わせて困り顔になってしまう。

 だって……ねえ……。


「実は、護衛騎士どころか……この城で信頼できる使用人は、ディッツとジェイドのふたりしかいないんだよね……」

「なに?」

「俺たちハルバード家もまた、アギト国に侵略されているのです……」



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