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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は王宮で過ごしたい

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離宮炎上

「きゃああああっ!」


 ついに応接間で悲鳴があがる。

 火柱は留学生たちの荷物の中から発生していた。天井まで届くレベルの炎に、留学生たちはパニックになる。


「いやあああああっ」

「どうして……どうして、こんなとこからっ!」

「理由はあと! 全員部屋から出なさい!」


 鋭く命令を放つ。

 思考が停止していた少女たちは声に入力されるまま、ドアへと向かった。私もドアに移動しながら、逃げ遅れた子の服を引っ張る。全員でもつれ合うようにして中庭に出た。


「建物が燃えるのも時間の問題よ! 橋に向かって! 離宮から出るの!」


 前世の子供のころ、防災教室で言われたことがある。

 天井にまで達した火柱は、素人の手には負えない。消火器程度ではもう消せないから、とにかくその場から離れろと。

 実際、教えられた通りだったようで、すでに炎は床にも天井にもその手を伸ばしていた。

 ファンタジー世界にはまだ、延焼を食い止めるような素材はない。建物を形づくるのは木とレンガと漆喰だ。すぐに離宮全体が炎に飲まれるだろう。


「フィーア、退路を確保! 避難ルートを誘導して!」

「はいっ! みなさんこちらへ!」


 フィーアが留学生たちを出口へと導く。

 シュゼットを先頭に、彼女たちは無言で移動を始めた。災害からの避難生活で、良くも悪くも避難行動に慣れてしまったらしい。ひとりもはぐれることなく、すぐに細い橋へとたどりつく。

 私とクリスは、彼女たちの背後を守るように、最後尾からついてきていた。


「一、二、三……」


 一列になって走る少女の数を、クリスが後ろから数える。


「全員そろってるみたいだな」

「みんな応接間に集まってたおかげね」


 この混乱の中、離宮内をいちいち探し回る必要がないのは助かる。


「兵士に保護してもらったら、タニアに言って、焼けた荷物を……」


 そこまで言って、私はふと気づいた。


「リリィ?」


 立ち止まってしまった私を、クリスが振り返る。彼女も足を止めた。

 私はクリス尋ねる。


「タニアは?」

「えっ」


 クリスが橋を走っていく少女たちを見た。そこに、銀髪の女性の姿はない。


「タニアがいない……!」


 うっかりしていた。

 私たち高位貴族にとって、使用人や女中は黒子のような存在だ。お茶出しなどの仕事をさせる時以外は、どこで何をしてるかなんて気にしない。シュゼットたちと応接間に集まっていた時も、彼女の所在を気に留めてなかった。

 てっきり、彼女も非常事態を察して逃げ出したと思っていたけど。

 そもそも事件発生時点でおかしかったのだ。

 責任感の強いタニアが、異常音を聞いて応接間の様子を見にこないわけがない。


「きっと何かあったのよ」

「戻ろう」


 クリスが身をひるがえす。私も離宮の門を振り返った。


「ご主人様っ?!」


 フィーアに、私が戻る理由を伝える時間はなかった。

 バンッ!!

 すさまじい轟音とともに橋の真ん中がはじけ飛んだ。

 どんな爆薬を使ったのか、橋は中央から連鎖的に崩れ始める。留学生たちは王宮側へ、私たちは離宮側へと慌てて走った。

 離宮を囲む堀は深く、底には罠が仕掛けてある。落ちたら命はないだろう。

 とにかく建物の中へと滑り込む。

 離宮の門から後ろを振り返ったら、橋が跡形もなくなくなっていた。


「ご主人様!」


 王宮側の橋のたもとで、留学生たちの救助をしながらフィーアが叫ぶ。


「こっちは大丈夫! タニアを連れて避難するから、あなたはそこにいて!」

「しかし!」

「堀を渡るのは危険だわ。どうにかするから待ってて!」


 今にも堀に飛び込みそうなフィーアを止めてから、中に入る。

 先に離宮に入っていたクリスが私を振り返った。


「どうにか、の勝算はあるか?」

「なければ作るまでよ。とにかくタニアを探しましょ」


 私は燃え始めた離宮の奥へと歩き出した。


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