表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は大災害を生き残りたい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

415/592

カメラの正しい使い方

「カメラアプリとかどうかな?」

「……かめら?」

「さっき出て行ったドローン、空飛ぶ使い魔と同じ機能よ。ここについてるレンズで写した映像を保存できるの」

「映像……保存……?」

「使ってみたほうが早いわね。フラン、ちょっとこっち向いて」

「うん?」


 きょとんとしているフランにレンズを向けて、シャッターボタンを押す。カシャッと小さく音がして、画像が保存される。改めてスマホの画面を見ると、そこにはフランの顔が映し出されていた。


「かっ……こよ……」


 セルフスチル保存ありがとうございます。

 このスマホ私のだよね?

 管制施設を出たあとも持ち歩けるんだよね?

 つまり、人目にさえ気を付ければ、いつでもフランの顔を見放題ってこと?

 あれ? これって、夢の『カレシの写真ゲット』シチュですか?


「ふおぉぉ……」


 思わず、変な声が口から出てもしょうがないと思う。

 こんなの喜ぶしかないじゃない!


「リリィ?」

「あ、ごめん。こんな風に風景がそのまま保存できるの」

「……確かに、便利だな」

「カメラは両面についてるから、切り替えたら……ねえフラン、ちょっとこっちの画面見て」

「こうか?」


 私はインカメラに切り替えると、フランに体を寄せた。一緒になってスマホを見る。

 そのままシャッターボタンをもう一度。

 今度は私とフラン、ふたり並んでる写真がとれた。

 あこがれの!

 カレシとツーショット写真ゲットだぜ!


「うわあ……本当にツーショットだぁぁ……」


 これはロックかけて永久保存するしかない。

 絶対に消去不可だ。


「お前との絵姿は悪くないが、いいのか? こんなものを他人に見られたら……」

「スマホ自体がそもそも重要機密だから、人のいる所では使わないわよ。それに、持ち主以外操作できないよう、ロックもかかってるし」


 スマホの利用者自体が限られまくっているこのファンタジー世界で、情報を抜き取ってくるハッカーなんてほとんど存在しない。管理さえ気を付ければ、流出する危険性はほぼゼロだ。


「……なら、いいが」


 今度はフランが自分のスマホでカメラアプリを起動させる。

 何度か指令室の中に向けてシャッターを切っていたかと思うと、不意にこちらを向いた。


「リリィ」

「え、私?」

「恋人の絵姿がほしいのは、お前だけじゃない」


 言いながら、スマホ片手に見つめられると、また頬が熱くなる。

 そういえばそうだった。

 私がフランの写真で喜ぶのと同じように、フランも私の姿で喜ぶんだったね……。

 気持ちは嬉しいけど、なんだか気恥ずかしい。


「こ、こう?」


 ポーズをとったらカシャ、とシャッター音が静かな指令室に響いた。


「表情が硬いな。もう少し笑った顔のほうが嬉しいんだが」

「ええぇ……」


 そんなこと言われても。

 恋人の写真を撮るシチュエーションが初めて、ってことは逆に撮られるのも初めてなんだよ。小夜子の時は自分の姿が好きじゃなかったから、あんまり写真を撮らなかったし。

 せっかくなんだから、かわいく笑わなきゃって思うのに、顔はどんどんこわばっていく。


「リリィ」

「ま、待って、待って……笑顔になろうとはしてるんだけど」

「恥じらう姿は、それはそれでかわいいんだがな」

「今そういうこと言わないでー!」


 余計緊張するから!

 私が慌てている間にも、フランは恐ろしい勢いでカメラの使い方を覚えて、こちらを撮影してくる。恋人のひきつった顔ばかり撮って君は何がしたいんだ。


「ただ撮られるのが緊張するなら、さっきみたいにふたりで撮るか?」

「え、あ」


 私の返答を待たずに、フランは自分のスマホをインカメラに切り替えて体を寄せてきた。さっきと全く逆の構図だ。自分も同じことをやってたはずなのに、フランが撮っていると思っただけで心臓が跳ねる。


「カメラを見ろ」


 密着しているから、声が近い。

 カシャ、とシャッター音がまた鳴った。


「顔をあげて」


 耳元でささやかれて、私は逆に俯いてしまう。


「ね、ねえ……っ、からかっておもしろがってるでしょ!」

「ばれたか」

「もうっ……!」


 顔をあげたら、フランの青い瞳と目があった。彼は器用にスマホのカメラをこちらに向けたまま、私を見つめている。

 カシャ、とまたシャッター音がした。


「いい顔だ」


 唇を寄せられて、吐息がからむ。

 私はとっさに手をのばすとフランの大きな手ごと、スマホをつかんだ。レンズが私の手にふさがれて、画面が真っ黒になる。


「こういう時の顔は……撮っちゃダメ……」

「酷なことを言う」


 ちゅ、と唇が触れ合った。

 この仮想空間でできるのはここまでだ。そうわかっていても、リアルな感覚が気持ちいい。抱きしめ合ったまま、もう一度キスしようとして。

 ヴーッ! ヴーッ!

 けたたましい警告音が鳴り響いた。





書籍4巻発売中!書籍版もよろしくお願いします!

詳しくは活動報告にて!


読んでくださってありがとうございます!

もしよろしければ、広告の下↓↓↓までずずいっとスクロールしていただき、「☆☆☆☆☆」評価お願いします!

作者の励みになります~!


もちろん、お気軽な感想、ブクマ、レビューなど大歓迎ですので、よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズ①巻12月25日発売!
https://img1.mitemin.net/dj/zl/3wkif4ur6gwvjhk43tmrckclikh6_hvt_140_1kw_17utt.jpg
書籍⑦巻12月19日発売!
if5xkaf24p7benpdg9mgb811imr4_e3n_xc_hi_f9ns.png
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ