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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は女神のダンジョンから脱出したい

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お友達の作り方

「え……リリアーナ様は……リリアーナ様、ですわよね?」


 問いの意味がわからなかったのか、シュゼットはきょとんとした顔になった。


「まあそれはそうなんだけど、シュゼットは私のことを『次期王妃』ってラベルづけして見てるよね」

「だって、それは……」


 私はシュゼットの反論をわざと無視する。


「確かに私は王子と婚約してるから、次の王妃になる可能性は高いわよ。でも、まだ婚約状態で結婚したわけでも、彼が王位を継承したわけでもないじゃない。途中で婚約が解消されたり王子が廃嫡される可能性だってあるわけよ」

「ええ……」

「それに私を構成する要素って、王子だけじゃないわよね。

 私は勇士七家の流れをくむハルバード侯爵家の長女で、第一師団長の娘で、ハルバード領の領主代理だった。今は王立学園女子部の二年生。東の賢者の弟子でフィーアとジェイドのご主人様で、それからフランの友人で、クリスの友人で、セシリアの友人でもあるの。あなたは私っていう人間を作る王妃以外の面をちゃんと見ようとした?」

「そ……それは……」


 反論しようとするシュゼットの唇が震える。そんなこと、思いもしてなかったんだろう。


「ここは王立学園で、あなたは国の名前を背負ってやってきた留学生だから、身分を完全に無視することはできないわよ。でも、見るべきことはそれだけかな? 学生としての私とか、ただの女の子の私って意味ないかな?」


 私がずっとシュゼットに抱いていたモヤモヤの正体はこれだ。彼女は筋金入りの箱入り娘で、世間知らずだ。事前に仕入れた情報以上のことがたくさん転がっている現実に、全く気付いてない。次期王妃しかり、アテンド役しかり、既にカテゴリに入れてしまった人物にどんな面が隠されているのか、何も想像していない。

 それゆえに、王立学園に留学しておきながら、次期王妃と仲良くなることしか考えていないのだ。


「シュゼット自身だってそうでしょ? キラウェアの王女様だけど、きっとそれだけじゃないよね? 国王の娘だとか、誰かの妹だとか、留学生たちの友達だとか、他の面はいっぱいあるわけでしょ。でも、王女として接してこられたら、私だって王女として扱うしかできなくなっちゃう」

「あ……!」


 自分のうかつさに気づいたのか、シュゼットはかあっと顔を赤くした。


「そ、そうですわ……リリアーナ様は王子妃である前に、誰かの子供で……友達で……ひとりの人間なのに」


 私はシュゼットに改めて手を差し出した。


「ねえ、王立学園女子部二年のシュゼットさん? 私は王立学園女子部二年のリリアーナっていうんだけど、お友達にならないかしら?」


 我ながら、この行動は軽率な気がする。

 相手が私をただ『次期王妃』だって見るのなら、私だってシュゼットを『お姫様』として扱って他の一切を無視することもできる。あの王妃の姪ってことを考えたらそのほうが安全かもしれない。

 でも私が今ここで友達に囲まれながら学生生活を送れるのは、誰も見捨てなかったからだ。キラウェアのお姫様だからって、シュゼットをこのまま見捨てるのは何かが違う気がする。


「リリアーナ様……! よ、よろしく、お願いしますわ」


 シュゼットはおずおずと手を握り返した。私も彼女の手を握る手に力をこめる。


「様なんてつけずに、リリィでいいわよ。こっちも敬語はやめるし」

「そうさせてもらいますわ……」


 シュゼットは大きく息を吐いてうなだれた。


「リリィって、実はかなり砕けた方でしたのね……」

「砕けたどころか、仲間うちでは結構口が悪いぞ」


 クリスが笑顔でいらない一言を付け加える。


「生き方自体がフランクすぎるクリスに言われたくないわよ!」

「はっはっは、どうせ王家から離脱するのは決まってるからな。好きに生きるさ。というわけでシュゼット?」


 はい、とクリスもシュゼットに手をさしだす。


「この学園は、リリィと友達になるためだけにあるわけじゃないと思うんだが、どうかな?」

「よ、よろしくお願いします。ええと……クリス、でよいのかしら」

「それでいい。長ったらしいのは嫌いだ」


 クリスはいつものように明るく笑っている。こういう時、彼女の屈託のない性格はありがたい。


「特別室組の生徒以外にも、おもしろい子はたくさんいるから、彼女たちとも仲良くなるといいわよ。オススメはツンデレな商人の娘かなー」

「また王族? とか言って、あっちもプルプルしてそうだけど」

「いいんじゃない、商売のチャンスってことで」

「わ、私がんばります!」

「うん、一緒にやっていこうシュゼット」


 私たちは、ただの友達みたいに笑いあった。

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