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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は学園生活を謳歌したい

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一方そのころ

「来ないで!」


 意識を失ったゾフィーを抱きかかえて、私は叫んだ。


「ははっ、威勢だけはいいな」


 男子生徒に変装した男たちが私たちに向かって近づいてくる。彼らをただ睨むふりをして、私はこっそりポケットに手をいれた。ここには万が一のために持ち歩いている魔法薬がある。

 お前らなんか、魔法閃光手榴弾をくらって行動不能になればいい!

 音と光で騒ぎになるかもしれないけど、この際そんなことは言ってられない。


「このっ……!」

「ソレはまだ使うな」


 私が魔法薬を発動させようとした瞬間、すぐ後ろから声がかかった。聞きなれた、でも最近聞いていなかった低い声。

 そこにいるのが誰か確認するより早く、ふたつの人影が男たちの前に躍り出た。


「な……誰だ……!」


 影は男たちの問いには答えず、まっすぐ突進していく。

 その後は、あっという間だった。

 男たちはろくに反撃することもできずに手足を切り裂かれ、地面に叩き伏せられる。気が付いたときには、全員が意識を奪われて転がされていた。


「うわぁお……」


 さすが、騎士科主席卒業生と獣人暗殺者。容赦ない。


「怪我はないか?」


 自分たち以外に動く者がいないことを確認してから、フランが私を振り向く。私はゾフィーを抱えたまま、へなへなとそこに座り込んだ。


「ない……大丈夫」

「そうか」

「来てくれてありがとう……フラン。それからツヴァイも」


 私が声をかけると、ネコミミの青年はこくりと頷いた。

 ほーらーねー!

 やっぱり助けが来たよー!

 アイリスの企みなんて、そう簡単に成功させてやらないんだから!


「俺たちもいるぜ」


 ひょこ、と木々の中からディッツとジェイドが顔を出した。彼らも闇に溶け込む黒衣を纏っている。


「ジェイド、他に敵の気配は?」

「ありません。昨日セシリアが報告してくれた内容をもとに探知方法を修正したので、『姿隠しの護符』を使っていても見落としません」

「わかった。……ツヴァイ、倒した連中を拘束しろ」


 ツヴァイは無言のまま、持っていたロープで男たちを縛り始めた。


「さて、俺はこっちだな」

「ディッツ、お願い。私じゃどうしようもないの」


 近づいてきたディッツたちにゾフィーの胸元を見せる。その黒々とした呪いの刻印を見て、魔法使い師弟は顔を歪めた。


「年端も行かない女になんて術を……」

「呪いは解けそう?」

「そこそこ時間はかかると思うが……なあに、虹瑪瑙が必要なほどじゃねえ。大丈夫だ、治してやれるよ」

「よかった……」


 私はほっとして息を吐いた。今までのことはともかく、ゾフィーは反省してアイリスを止めようとしてくれていた。できることなら助けてあげたい。


「とはいえ、呪いの傷を医務室の連中に見せるわけにはいかねえな」

「どんな噂が立つかわからないもんね。ボクが研究室まで運ぶよ」


 ジェイドがゾフィーを抱き上げた。


「そっちに転がってる連中は……」

「俺が運ぶ」


 男たち全員を縛り上げたツヴァイが立ち上がった。


「どうやって?」


 襲撃者たちは結構な人数だ。強烈ねこぱんちが繰り出せるユニークギフトのおかげで腕力が強化されてるといっても、ひとりで抱えて移動するには多すぎない?

 疑問に思っていたら、ツヴァイは小屋の裏から荷車を引いてきた。完全に荷物扱いで、男たちを載せていく。

 なるほどなるほど、荷車があれば問題ないね!


「はあ、これで一安心……って、あれ?」


 あれよあれよという間に後始末を終え、襲撃者たちとゾフィーを連れて去っていくツヴァイと魔法使い師弟を見送っていた私の頭に、ふと疑問が浮かぶ。

 なんか全員準備が良過ぎない?

 ここで何が起きるか、あらかじめ全部知ってたみたいな手際の良さなんだけど。

 見上げると、フランが呆れ顔で肩をすくめた。


「王妃派に狙われている状況で、俺がお前から目を離すわけがないだろう」

「そうだろーけどね?」


 あらかじめ教えてくれててもいいと思うの!



読んでくださってありがとうございます!

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