表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は学園生活を謳歌したい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

307/592

因果への応報(オリヴァー視点)

「……何のお話でしょう?」


 呼び止められ、アイリスが振り向く。ヴァンは笑顔を張り付けた彼女の顔を睨みつけた。


「お前、なんでリリィが帰ってこねえって、断言できたんだ?」

「それは……先日のリハーサルで、あの方が逃げたから……」

「まだ開演までそこそこ時間があるぜ。なのに探すことすらせずに、代役の話を持ち出したのは、あいつが帰ってこない確信があったからだろ」

「何が言いたいんです?」


 アイリスもまた、いらいらとヴァンを睨む。


「つまり、リリィを隠した犯人はお前だろ、ってことだ」


 しん、と生徒全員が静まり返った。


「あ、あはははっ、ヴァン様は冗談がお上手ですね! 私はずっとここで道具探しをしていたんですよ。リリィ様を連れ出したりなんか、できません」

「自分でやらなくても、命令は下せるだろ。ケヴィン、クリス!」


 ヴァンが指示を出した次の瞬間、ふたりが近くにいた生徒を取り押さえた。床に引き倒された彼らの顔を見て、アイリスの顔がこわばる。


「お前がそこの生徒ふたりと話していたのを確認している。こいつらに、リリィを誘導して演劇場から閉め出すよう指示したな?」

「知りませんわ。ただ同級生と話していただけで犯人だなんて、失礼じゃありません?」

「……だとよ。おいお前らふたり、このまま黙ってたらお前らがリリィ誘拐の犯人ってことにされるんだが。いいのか? それで」

「ち、違います! 私たちはアイリス様に脅されたんです!」

「少し誘導するだけでいいからって……全部証言しますから……助けてください!」


 押さえられた生徒たちは口々に命乞いを始めた。


「く、口から、出まかせですわ」

「へえー」


 返事をするヴァンの声は冷たい。

 アイリスを見る生徒たちの視線も冷え切っていた。誰もアイリスの言葉を信じていないのは明白だった。


「お前のやったことは、侯爵令嬢の誘拐だ。今までの演劇妨害みたいなヌルい犯罪じゃねえ。大罪人として裁かれることを覚悟しやがれ」

「私が……罪人……? まさか」


 アイリスは問いかけるが、誰も彼女を肯定しなかった。

 もちろん、俺もそのひとりだ。


「オリヴァー様は私を信じてくださいますよね?」


 すがるような視線を向けられたが、俺は目をそらした。彼女に手を差し伸べるなんてこと、できるわけがない。


「何よ……みんなあの女の味方ってわけ? 馬鹿じゃないの? あんな、考えなしで態度がデカくて顔がいいだけの女! かばう価値なんてない! あんな女死ねば……ふふ、ふふふふふっ」


 リリアーナ嬢に悪態をついていたアイリスは、突然笑い出した。

 唐突な感情の変化に、見ていた俺たちは面食らう。


「確かに私は罪人になるかもしれない。でも、あの女だって破滅よ!」

「……何が言いてえんだ」

「あいつを連れ出した先に男を何人も用意したの。いまごろ令嬢の名誉も尊厳もズタズタにされているころだわ! 私を捕らえていい気になってるかもしれないけど、ボロ雑巾みたいになったあいつを見て、笑ってられるかしら?」


 名誉も尊厳も、とはそういうことなんだろう。

 ひとりの人間に向ける悪意の深さを目の当たりにして、背筋が凍る。子供のころから知っていたはずの少女のどこにこんな醜悪な部分があったのか、理解できない。


「お前バカだろ」


 呆れたようにヴァンが言う。


「俺たちは、お前が何を計画していたか、実行犯は誰なのか、全部把握してたんだぞ? それだけ知ってて、リリィを本当にひとり歩きさせるわけないだろ」

「え? でも、呪いは確かにあの子が小屋に到着したって……」


 アイリスは慌てて何かを握りこんだ。

 何かの呪具のようなものを持っているようだ。


「それはお前を騙すためだ。リリィが罠にかかったと確信させるために、手下が待ち構える場所まではわざと行かせたんだよ。今頃は現行犯で全員捕縛されてるはずだ。もちろん、あいつの名誉も尊厳も傷ついちゃいねえ」

「……そんな」


 ヴァンの言葉は真実だ。自分も昨日の夜の時点で今日起きることを知らされていた。聞いたときには嘘としか思えなかったが、実際に目の前で予想通りの事件が起きたのでは信じるしかない。


「アイリス、お前は自分が賢いつもりだったんだろう。でもな、実際は全部見透かされてひとり負けしただけなんだよ!」

「嘘……嘘……嘘よ! 嘘おおおおお!」


 アイリスは半狂乱で叫びだした。


「クリス、今捕まえてる奴と一緒にアイリスを裏口まで連れていってくれ。そっちにミセリコルデ家から派遣された騎士がいるはずだ」

「わかった」


 クリスは実行犯をまとめて連れていく。

 その姿を茫然と見送っていると、ヴァンが俺の体を引っ張った。強引に廊下へと連れ出される。


「な、なにをする!」


 追って来たヘルムートごと隣の控室に押し込まれ、振り向いたらケヴィンがドアを閉めるところだった。


「お前の説教は、まだ終わってねーぞ?」




読んでくださってありがとうございます!

もしよろしければ、広告の下↓↓↓までずずいっとスクロールしていただき、「☆☆☆☆☆」評価お願いします!

作者の励みになります~!


もちろん、お気軽な感想、ブクマ、レビューなど大歓迎ですので、よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズ①巻12月25日発売!
https://img1.mitemin.net/dj/zl/3wkif4ur6gwvjhk43tmrckclikh6_hvt_140_1kw_17utt.jpg
書籍⑦巻12月19日発売!
if5xkaf24p7benpdg9mgb811imr4_e3n_xc_hi_f9ns.png
― 新着の感想 ―
[一言] >子供のころから知っていたはずの少女のどこにこんな醜悪な部分があったのか、理解できない。  まあショックでしょうがね。知らなかった・見破れなかった……では済まないのだよ。 この後、母親とい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ