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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は学園生活を謳歌したい

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幕間:明日が怖い(セシリア視点)

 女子寮特別室の広いベッドで、私はため息をついた。

 消灯時間を過ぎてからずいぶん経つ。いつも生徒のおしゃべりする声で騒がしい女子寮も、今はしんと静まり返っていた。

 結局、イエスともノーとも言えず黙りこくってしまった私に、答えを求めることを諦めたのか、フラン様はそのまま作戦会議を始めてしまった。話だけ聞いて、参加する気になったら声をかけろ、ということなんだろう。


 フラン様の意図はわかる。

 私は将来聖女になることが運命づけられている。

 厄災に立ち向かうのなら、今の時期からその姿をアピールしておいたほうがいい。

 王子の行動を正して、王妃派を排除するこの作戦は、絶好のチャンスだ。

 意図も、理由も、全部頭ではわかっている。

 でも行動しようとすると、とたんに体が動かなくなった。

 行動は状況を変える、そして状況は全ての運命を変えていく。

 女神に才能を与えられた私が本気で動けば、世界がどれだけ姿を変えるのか。全く予想がつかなかった。


 未来に何が起きるのか、そんなものわからないのが普通だ。

 みんな明日何が起きるか知らないまま毎日を過ごしている。

 しかし、自分はこの先に待ち構える災厄や、悲劇の情報を知っているからこそ、その先に起きる未来が怖くてしょうがなかった。


 だからといって、震えて蹲っていても状況は変わらない。

 悲劇は私の怯えなんて無関係にやってくる。


 だから、立ち向かわなくちゃいけない。

 頭ではわかっているけど。

 それでも手足は冷えて強張って、思い通りに動いてはくれなかった。


 もう一度ため息をついて、自分の喉がカラカラに乾いていることに気が付いた。

 そういえば、考え込むあまり、夕食も食べていなかった。もちろん飲み物だって口にしていない。

 悩むのはともかく、ここで自分まで倒れて足を引っ張るわけにいかない。

 ふらふらと廊下に出た私は、サロンに置かれている水差しに手を伸ばした。

 持ち上げてみると、思ったより軽い。

 そこには一口ほどしか水が残されていなかった。


「そっか……フィーアさんが……いないから」


 特別室の備品管理は彼女の仕事だ。過労で寝込んでいる今、水差しの手入れをする者は他にいない。

 自分より年下の女の子が倒れるほど努力をしているというのに、自分ときたら。

 自己嫌悪でまた更に体が重くなる。


「水……補充しなくちゃ」


 私は水差しを手に取ると、階段に向かった。

 一段降りるごとに、少しずつ範囲を広げながら周囲の魔力を探知する。この索敵方法はジェイドさんの真似だ。

 本来戦場で斥候が使うような魔法だけど、女子寮にはリリィ様たちを敵視する王妃派の子たちも寝起きしている。用心して、しすぎることはないはず。


 ゆっくりと建物の魔力のゆらぎを確認しながら、厨房へと向かう。料理用の水道まであと一歩、というところで強烈な違和感を覚えた。


「……っ?」


 探知の魔法に異常はなかった。しかし、何か大きなズレを感じる。

 何かが無理やり探知の結果を塗りつぶしているような、そんな感覚だ。

 異常を感じる方向を見ても、そこにはただ廊下があるだけだった。

 何の変哲もない夜の女子寮の風景。

 しかし、私の魔力が危険を告げている。


 怖い。

 今すぐ部屋に戻って布団をかぶって寝てしまいたい。

 けれど、今の女子寮で異常を追えるのは、私だけだ。

 怖いからといって放りだすには、大事な友達が多すぎる。


「……」


 フィーアさんの真似をして気配を消し、私は違和感を追う。

 ソレは裏口に向かうと、ドアに接触した。音もなくドアが開いて、外から月光が差し込んでくる。

 月の光に照らされて浮かび上がったのは、アイリスさんの姿だった。




読んでくださってありがとうございます!

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