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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢はバカンスがしたい

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仲良くなるには難しい

「はあ……お腹いっぱい」

「食べたし、歩いたね……」


 陽が傾きかけるころ、私とシルヴァンは港のベンチにふたりで並んで座っていた。

 市場をあちこち食べ歩きしたせいで、くたくただ。


「知らない街を歩くのって、楽しいわね」

「……そうだね」


 私の問いかけに、シルヴァンは複雑そうにうなずく。


 今日は一日楽しかった。

 私は間違いなくそう断言できるし、シルヴァンだって、異国のスパイス満載のお肉を食べていたときのあの笑顔が嘘だとは思えない。


 でも、一緒にいると楽しいね、と素直に肯定してしまえば、周りが『では婚約を……』と話を進めてしまう。

 性別を偽っているシルヴァンは、そう簡単に婚約者を作れない。私だって、お見合いはともかく本気で婚約する気はない。

 だから、どうしても煮え切らない態度になってしまうんだ。

 お友達作戦、結構難しい。


 気まずそうに視線をそらしたシルヴァンは、そこで目をとめた。


「あ……」

「シルヴァン?」


 シルヴァンは港を指さす。そこでは、巨大な客船に明かりがともされていた。いくつものランタンに照らし出されて、客船はその美しい姿を水面に映し出す。


「綺麗だね」

「すごい……これから何か催しでも始まるのかしら」

「船上パーティーじゃないかな。ほら、お客の馬車が来た」


 シルヴァンが指す方向を見ると、豪華な馬車が何台もやってくる。乗客はその馬車に見合うだけの裕福な貴族たちなのだろう。

 その中に、ひときわ美しい豪華な馬車があった。

 シミひとつない白馬ばかりがひく四頭立ての車体には、ハーティアを象徴する紋章がデザインされている。乗っているのは、王族だろう。


「そういえば、父様が王族のひとりがお見合いするから、護衛してきたって言ってたわね」

「じゃあ、あそこに乗っているのは……オリヴァー様かクリスティーヌ様、かな?」


 現在、ハーティア王室に未婚の者はふたりしかいない。

 王妃が産んだ、ただひとりの王子オリヴァー。そして、前国王陛下が側室に産ませた王妹殿下クリスティーヌ。側室が前国王のもとに入ったのが晩年だったので、オリヴァーとクリスティーヌは、叔母と甥の関係だけど同い年の13歳だ。

 どちらも、私たちみたいに海辺でお見合いしててもおかしくない。


 見ていると船のほうから燃えるような赤毛の青年が出て来た。

 身なりのいい貴族たちの中でも、ひときわ高級な衣装を身に着けた美丈夫だ。彼は馬車の前までやってくると、そのドアの前に跪く。そして、ようやく馬車の中から女の子がひとり出て来た。

 ふんわりとしたラヴェンダー色のドレスを着た、妖精のような女の子だった。

 輝く銀髪を美しく結い上げた彼女は、洗練されたしぐさで赤毛の青年のエスコートを受ける。


「お見合いに来たのは、クリスティーヌ様だったみたいだね。赤毛の男性がお見合い相手かな? 誰だろう……」

「カトラス侯爵嫡男のダリオ・カトラスじゃないかしら。派手な赤毛で有名だもの」


 赤毛、カトラス領、お金持ち、というキーワードから、私は赤毛の青年の正体を推理する。7勇士の跡取り息子であるにも関わらず、私の手元にダリオの詳細な情報はない。彼はゲームが開始される前、近い未来に殺されてしまうからだ。ゲームが聖女視点でしか描かれていないから、直接観測できないキャラの情報はほとんどない。

 その代わり、攻略本には兄の死後、後継ぎに指名された弟ルイス・カトラスのプロフィールが詳しく書かれている。


 今回のカトラス旅行のもうひとつの目的は、ダリオ殺害の悲劇を事前に止めることだ。しかし、カトラスの問題はえぐすぎて子供の私には手に負えないから、フランに丸投げだ。

 こればっかりはどうしようもないので、彼に託すしかない。

 お見合いしながら信じて待つだけだ。


 そんなことを考えながら、ぼんやりとダリオとクリスティーヌを見ていた私は、ふとあることに気が付いた。


 ラヴェンダー色のドレスのクリスティーヌ。

 男物の騎士服を来たシルヴァン。

 ふたりは、どちらも銀髪に紫の瞳で、とても顔立ちが似ていた。


「ボクとクリスティーヌ様、ちょっと似てるでしょ」

「え……ええ、女の子と似てる、って言うと失礼かもしれないけど……」

「小さいころはもっと似てたんだよ。ボクとクリスティーヌ様はいとこ同士だから」


 そうだったっけ?




読んでくださってありがとうございます!

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