第七話「緑のドラゴン」
カリマとは違うドラゴン、宮殿の前に横になっている。
大きい街だと思ったがどうやら宮殿だけが存在する街らしい。
そしてドラゴンだが緑の鱗、カリマより少し小さいが中くらいの大きさ、長い尻尾。
人々は宮殿の中に入っていく。
「すごい迫力、カリマちゃんもすごいけど、このドラゴンも迫力はある」
小味も宮殿の中に入ろうとドラゴンの脇を通ろうとする。
「人間」
「は、はいっ」
するとドラゴンに話しかけられた。
「お前は入ってはダメだ」
「え、どうして」
「お前ドラゴンと一緒だな」
「どうしてそれを」
「やっぱり。我が輩は鼻がいいのだ、すぐに仲間の臭いなんぞ分かる」
「でもどうしてドラゴンと一緒なだけで入っちゃダメなの?」
「ドラゴンは魔石の存在を知っているからだ」
魔石という言葉を聞き小味はピンときた。
「ということはここに魔石が?」
「それは教えん」
「あなたは魔石を守ってるの?」
「それも教えん」
「カリマちゃんと同じドラゴンなら仲良くなれるはずでしょ。だから教えて」
「カリマだと?!」
ドラゴンは驚いていた。
「カリマちゃんがどうかしたの?」
「あいつ、人間なんかと手を組んだのか」
「カリマちゃんの知り合い?」
「我が輩の友達だ」
「そっか、じゃあ友達だったらあなたも私の友達だね」
「どうしてそうなる」
「カリマちゃんの友達だから」
「余計分からん。それよりお前さっさと立ち去れ、ここには何も無い」
「嘘つき」
「どうしてだ」
「じゃあどうしてみんな中に入っていくの?みんな何してるの?」
「お前に知らせる必要はない。もし立ち去らないというのならお前を消し飛ぶぞ」
ドラゴンは横になっていた体を起こし立ち上がった。




