第五話「ファイヤ街の外」
ファイヤ街に着くと何故か街は炎で包まれていた。
メラメラと燃え見てるだけでも熱い。
「ねぇ、どうしてこの街燃えてるの?」
小味はポカンと口を開けてるカリマに聞いた。
「さ、さあな」
「これじゃ街に入れないね」
「そ、そうだな。あ、ま、そういうことで小味一人で街の散策を頼む」
くるりと大きい体を回転しカリマは岩下へ行こうとする。
「なんで逃げるの?」
ごおおおおと黒いオーラが漂ってるのは気のせいだろうか。
「私から言えることは一つ、外に出入りする人間を観察することだな。うん」
一頭で一人で納得する。
「え~出入りする人間なんていないよー。ねぇ、カリマ、って、いない?!」
カリマは厄介な面倒ごとを抱えないようにのさのさと岩下へ逃げて行った。
「カリマちゃんめ、後でお仕置きしてやる。それよりもどうやって入ろう?」
小味は一人で考えた。
炎が出ている。
それは何かから守っているから?
それともドラゴンが来るのを防いでいるから?
いや、ドラゴンを来るのを防いでるなら炎以外にも見張りのところに人間がいるはず。
じゃあ、何かから守っているから。
そうか。
「おーい、カリマちゃーん」
岩下に涼んで横になってるカリマを小味は起こしに行った。
「どうした?」
「すごいこと発見しちゃった」
「すごいこと?」
「あの街に人間になれる魔石があるのよ」
「それは本当か!?」
カリマはキラキラと目を輝かせている。
「ん?何で目を輝かせてるの?あーやっぱり人間になりたいんだ?」
「そんなことはない。私はこの姿が気に入っているのだ、何であんな弱い種族になんか」
「これなーんだ?」
小味の手に何やら光る石を持っている。
「魔石か!?どれ、少し味見を」
「やっぱり人間になりたいんだ?そして私と一緒に旅をしたいんでしょ?」
「違う!それよりその石はどうしたんだ?」
「あぁ、これビー玉だよ」
「ビー玉とはなんだ?」
「私が住んでる世界の昔のおもちゃかな」
「なんだ、魔石とは違うのか」
「そんなすぐに手に入ったらつまらないでしょ」
「人間とは中々理解し合えないところがあるな」
「はいはい、行くよ」
そう言い、小味はカリマの大きい後ろを押していく。
え~とカリマは言うが、一頭と一人はファイヤ街へと向かうのであった。




