第四話「旅の途中 その二」
「それでなんていう街だって?」
カリマは横に歩いている小味に聞いた。
「ファイヤ街だって」
「まだ滅ぼしたことのない街だな」
「ダメだよ、滅ぼしちゃ」
「分かってる、それにこんな姿じゃ私は行けない。小味一人で楽しんでくるんだな。私はそこら辺の岩下で涼んでるよ」
ドラゴンだからカリマは小味と一緒に街の中を歩くことはできなかった。
「ドラゴンって魔法とか使って人間に変身したりできないの?」
「無理だな。ドラゴンは炎を吐くことしかできない」
「そっかぁ。残念」
「ただ」
「ただ?」
「これはドラゴン達の中で聞いた噂だがとある人物が魔石を持っておりそれで希望の望みを叶えられるとか」
「ほんと?なら、それでカリマちゃんも人間の姿になれるね」
「私は人間の姿になれなくてもいい」
「どうして?」
「人間は愚かだからだ」
「そんな愚かな人間に膝を付いて一緒に旅をしてるドラゴンは誰ですかー?」
小味は悪ふざけでからかってやった。
それに対しカルマは頬を赤らめた。
「膝など付いてない!」
「顔を赤らめちゃって可愛い」
「こんにゃろー」
カリマは大きい自分の前足で小味の頭を擦り付けた。
「あはは、痛いから」
「それで、本当に小味一人で大丈夫か?」
「大丈夫だよ、信じて」
「分かった、信じるとしよう」
小味とカリマはファイヤ街へと目指した。




