第二十八話「理解」
「待って!」
そこに立っていたのはドラゴンであった。
どこかで見覚えがある。
頑張って思い出そうとしてその答えをカリマは口を開いた。
「アイ!!」
アイはカリマの許嫁であった。
前に会った時に人間の姿となっていたがどういう訳かドラゴンの姿をしていた。
「どうしてこんな所に。確かお前は人間の姿になってたはず」
カリマが会話してると王様は戦いを止め二人の様子を見守った。
「父…いいや、王様の魔法の力で元の姿に戻ったのよ」
「そうだったのか。それよりこいつは本当に王様なのか?」
「ええ、間違いなく王様よ」
「そうか、なら、私はいけないことをしてしまったな」
「大丈夫よ、きっと許してくれるはず」
アイはカリマから王様のほうを振り向き発した。
「お願いだから許してあげて。カリマも同じドラゴンなのよ、戦ってはいけないわ」
「だが、私達ドラゴンの掟を破ったのだぞ。許せるわけにはいかない」
「父も母が人間だったら好きにならなかったというの?」
「いや、それはだな…状況が違いすぎる」
「じゃあどうして私を最初人間になることを許してくれたの?」
「むー」
「父の中で少しは人間を許そうという気持ちがあるんじゃないの?」
「それはだな」
「人間は悪い人もいるけど良い人のほうが百倍多いのよ。だから理解してあげて」
王様は街を壊すのを止めアイとカリマに背を向けた。
「仕方あるまい、カリマという者よ。二度と私の前に姿を見せるな、それだけが条件だ」
「うん!!」
王様から許可をもらえるとカリマは喜んだ。
そして、今まで人間を誘導していた小味を探しに行く。
地下では今まで悪い事をしてた男性と女性に対し他の人間が罰を与えた。
人間の世界とドラゴンの世界が混じる中、少しずつ状況が変わっていき平和になってきたのは事実である。
次こそカリマと小味の旅物語が書きたい。
少しずつ平和になっていきました。
それでは。




