第二十七話「怒り」
カリマと小味は黒いドラゴンを追う中、逃げていくたくさんの人々に出会った。
「なんてこった、あれはお終いだ。誰か助けてくれー」
「ドラゴンは優しいのもいると思ってたけどもう信じないぞ、全員敵だー」
「あのドラゴンは王と呼ばれてる奴じゃないの?どうしてこんな所に」
男女と共に緑の街から逃げてくる住民たち。
人間の頭上より少し上を飛んでいるのでカリマ達は気づかれないが騒ぎとなってるドラゴンは黒いドラゴンのことだと理解する。
「一体どうしちゃったんだろ?ピロちゃんから話を聞いてから血相を変えて出て行っちゃったし」
「分からないな、ただ、緑の街で騒ぎとなってることは間違いない」
カリマは急いで緑の街へと向かう。
その頃緑の街では大変なことになっていた。
「グォォォォ」
その鳴き声を聞くと住民たちは震えあがっていた。
誰か助けてくれと叫ぶ人もいるが勇敢に戦う人達もいた。
だが、人間の力ではドラゴンと対等することなく、敗れていく。
そこにカリマと小味は何とか緑の街に到着し、目の前の状況を理解しようとした。
「そんな、どうしてこんなことを」
「街がボロボロじゃないか。とりあえず小味は人間達を安全な所へ誘導してくれ。私はあのドラゴンと話してくる」
「分かった! カリマちゃん気を付けて」
小味とカリマは自分の役割を背なうとお互いに離れて行った。
街を崩壊し少し疲れたのか黒いドラゴンは息を吐き体を動かすのを止めていた。
そこにカリマは黒いドラゴンの近くに寄った。
「おい、お前何してるんだ! 街がボロボロじゃないか」
少し一息ついてから黒いドラゴンは話した。
「人間は滅ぼさないといけない、共存なんて出来ぬのだ」
「それでもこれはやりすぎだ。あの時ピロになんて言われたんだ?そんなに怒るようなこと言われたのか?」
カリマは心配して聞いた。
「貴様には関係ないことだ。これは掟を破らないドラゴン達に関係あること。人間とつるんでる貴様には分からないことだ」
「グォォォォ!」
黒いドラゴンは前の手で家などを破壊していく。
「だからやめろと言ってるんだ!」
「貴様、私に逆らうというのか?」
「それがどうしたんだ」
「私はドラゴンの王様だ!!」
そう黒いドラゴン=王様がそういうとカリマは驚き足元のバランスを崩した。
その反動を見て王様はカリマのお腹に勢いを付けてアタックした。
「うっ……」
お腹にアタックされカリマは声を出し後ろによろけた。
「貴様が人間とつるんでるせいで私達ドラゴンは変な目で見られるんだ。その罪を洗い流せ」
王様は足に力を入れてカリマのお腹に自分の頭を押し付け進んでいく。
カリマは先程のお腹の痛みと左目の痛みで戦う気力を失っていた。
でも、対抗しないとこのままでは自分がやられると思い閉じていた右目を開け自分の尻尾で王様を殴り倒した。
「……くっ…」
王様は少し怯み自分の体勢を立て直す。
「貴様、意外とやるようだな」
「…私は大事な人がいるんだ、その人を悲しませないために行動するしかないだろ!!」
「それが甘いというのだ!ドラゴンならドラゴンらしく人間を滅ぼすのだ」
「お前は分からずやだな!」
そうカリマがいうと口に力を溜めて炎を出そうとした。
それに対し王様も口に火を溜める。
「お前が消えればこの騒動は収まるんだ! だから消えてなくなれ!!」
カリマは終わらせようといつもより大きく口に火を溜めるとそこに声が聞こえた。
やはり戦闘描写は私は上手ではないですね。
黒いドラゴンをドラゴンの王として今まで書いてきました。
これから王としてドラゴン達にどう関わっていくのか書いていく私も楽しみとなってます。
それでは。




