第二十六話「訪れ」
「グォォォォオォ!!」
突然の怒りに黒いドラゴンは大きな声をあげると翼を羽ばたかせその場から浮いていった。
カリマと小味は何があったのか理解できないまま心配する。
「おい! どうしたんだ!!」
カリマからの発声にも黒いドラゴンは見向きもせず中央の空いてる空間から外へ飛び出した。
飛び出した際に黒いドラゴンがぶつかった砂や石がボロボロと落ちていく。
残されたカリマと小味は意味が分からずそのまま立ち尽くす。
「一体何があったんだ」
「カリマちゃん、私たちも追いかけたほうがいいんじゃない?」
「そうだな、小味行くぞ」
カリマは自分の背中に小味を乗せその場から飛び立った。
怪我をしてた子ドラゴンはピロの横に立ち尽くす。
「おい、何か寒気がしないか?」
さっきと同じ空間で作業してた男性が女性に問う。
「いや、特にしないけど」
「そうか、俺の気のせいか」
気のせいだと思い子ドラゴンを傷つけていく。
するとズボンのポケットに入れてあった無線機が音を出し始めた。
時々ザーザーとノイズが走る。
「何だ?」
男性はポケットから無線機を取り出すとそれに耳を意識始めた。
「……大変……だ…早く……」
無線機から声が聞こえていたのはもう一人の男性であった。
無線機の親機の預け先は緑の街、グリーン売り店。
そこには子ドラゴンの鱗の毛皮や、肉などが売られている。
人間達にとってドラゴンは嫌われているが一部のマニアでそれだけは人気であった。
そのお店にいた男性はとても必死であった。
「……そこから、逃げろ…」
無線機からその声が聞こえると時折遠くのほうで怒りに満ちたドラゴンの声が聞こえていた。
男性は前書いたお話で確か二人いたと思ったのでもう1人を無線でですけど登場させました。
こうやって前回に登場させたキャラクターを少しずつ繋げさせて物語にしていくのは楽しいですね。
プロットも頑張って考えて面白いお話にしていけたらなと思ってます。
それでは。




