第二十一話「空の世界」
「カリマは今どこなの?」
あまりゴツゴツとした鱗ではなく女性らしいドラゴンは空のパトロールをしていたゼロに聞いた。
「今は分からない。ただ、とある情報によると緑の街にいたってことは確かだったよ」
「緑の街?あそこは確か少し進むと例の場所があったわね」
「例の場所とは?」
ゼロと会話すると澄ました顔で女性らしいドラゴンはその場から離れた。
どこかで見たことがあるとゼロは思ったが女性らしいドラゴンは歩くスピードが速く気づいた時には姿さえ見えなくなっていた。
ここはドラゴンたちが住む空の世界。
空の世界ではカリマの話題で持ち切りだった。
人間の娘と旅をしているとか、人間といるからこのままではドラゴンがダメになってしまうなど。
そのことはカリマの両親の耳にも入っていた。
「ガク、カリマを何とかしないといけないわ」
大きい樹木の根本でカリマの父ガクは、母ルビーに言われカリマのことを考えた。
「まだ人間の娘などと旅をしているのか」
「ええ。この前ゼロが注意しに行ったけど効果なかったそうよ」
「それはけしからん。それで、王の耳には入っているのか?」
「分からないわ。ただ緑の街にいたことは確かそうよ」
「早く何とかしないとまずいことになるな。王のお怒りに触れたらどうすることも出来ないというのに」
ガクは考え目を閉じ唸るとルビーに言った。
「これはもう最終手段を選ぶほかないだろう。王に気づかれてしまったら親の私たちにもどうすることも出来ないからな」
そうね、と言わんばかりにルビーは少し悲しげな表情をした。
いつもパソコンのメモ帳で執筆していたのですが今回はWordで書いてみました。
やはり気分の問題なのか横書きのメモ帳より縦書きのWordのほうが執筆しやすく書いていく内に物語も膨らんできました。
さてさて、今回は空で過ごしてるドラゴン達のお話でした。
あまりカリマ達に集中してるとバランス的にも良くないと思ったので両親も登場させました。
短いお話ですが楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは。




