第十七話「お互いの危機」
「まずいことになった。まさか私の目の前で小味がさらわれるなんて」
カリマは地上ではなく上空から小味を探していた。
「まだ逃げて間もないから近くにいるはず」
細い道路、大きい道路、路地裏、細かいところをまんべんなく探す。
「いた!」
小味がさらわれて八分後、カリマはやっと犯人を見つけた。
「待てー」
「うおっ、まじかよ。でも、俺たちを捕まえられるかな」
犯人は小味を車に乗せた。
「車であろうと私のスピードでは敵うまい」
カリマはすぐさま発進させようとする車の前に立ちふさがり車体を持ち上げた。
「うわっ、うわああああ」
犯人は悲鳴をあげるが、小味は目隠しをされているのでどういう状況か理解していなかった。
「えっ、えっ、何」
「小味ッ、すぐさま助けるから待ってろ」
「分かった、気を付けて」
カリマは車体を持ち上げたまま上空を飛んだ。
どこに連れていくというのか。
小味は犯人と同じ車の中で考えた。
「おいおいおいっ、下してくれー」
「俺達が悪かった、だからー」
犯人は上にいるカリマに聞こえるように叫んだが当の本人には聞こえていない。
「もしかして…! カリマちゃん!あそこに連れていくの?!」
カリマは小味の声だけ聞こえていた。
「そうだ、悪いことをしたらあそこだとドラゴンの世界でも教えられたからな」
「何の話をしてるっ! うわ、うわあああ」
「頼むっ、地上に下してくれー」
犯人たちが騒いでると何かしらカリマの目に光るものがあった。
それを見たカリマは目を細める。
「まぶしっ、なんだ?」
目を馴染ませようとパチパチしてるとカリマの目の付近に赤い光線が現れる。
それに気づいたカリマはすぐさまその場から離れようとしたが間に合わなかった。
その同時と共にピュンという銃声が聞こえ、カリマは上空から地上へと落ちていった。
お久しぶりです。
前回の更新からだいぶ日にちが空いてしまいました…!
体調不良だと中々続きが書けないですね。
これからはなるべく更新できるように頑張ります!
それでは。




