第十六話「緑の街」
「手に入れたか?」
「ああ、手に入れた。これが物だ」
それはカリマと小味の写真であった。
「こいつが本当に日本から来たっていう?」
「ああ、そうだ。俺は間違いなく聞いた」
「そうか、これからが楽しみだな」
怪しげな男二人組はひそひそととある場所で会話していた。
その頃カリマと小味はというと。
「着いたね、緑の街」
「そうだな、今まで森じゃなく台地を歩いてたから木があると私は嬉しいよ」
「ドラゴンはほんと自然が好きなんだね」
「まあな」
「じゃあ、今度は旅をする時森の中歩こうか」
「何でだ?」
「カリマちゃんが懐かしく思わないように」
「気を使わんでいいぞ」
「でも」
「私は大丈夫だ。それより今日はお目当ての物があるんだろ?」
「うん、旅人から聞いた話だけどこの緑の街にどうやら日本の物があるらしくてそれを見たかったの」
「なるほどな。でも、どういう物か分からないと見当が付かないんじゃないのか」
「そうなんだよね、どうしよう」
小味は困ってると、突然男二人組が現れた。
「そこのお嬢ちゃんたち」
「え」
「何やら困ってる様子みたいだから俺たちが助けてあげようか?」
「えっ、いいんですか?実は日本という国から来た物を探してて」
「ほう」
「だけど、それがどういう物か分からなくて」
「なるほど」
カリマは怪しげな空気を感じていた。
(なんだこの空気。何かおかしい)
「どこを探していいか分からず困ってたんです」
「ふむ」
(まさか)
「小味、逃げろ!!」
「え?」
「そこの用心棒さん、少し遅かったな。この娘はもらっていくぜ」
そういうと、男二人組は小味をさらっていった。




