第十五話「ラブラブ」
「今日は暑いね」
「そうだな、まだ次の街にも着かないし」
小味とカリマは長く続く道を暑い日差しが照りつく中歩いていた。
「暑い。カリマちゃん、脱いでもいい?」
「こらっ、私の前で脱ぐなー」
「えー、だって暑いんだもん」
「脱ぐ時は肌を隠せー」
「別に見られて減るもんじゃないし」
「私の体力が減るのだー」
「体力って、カリマちゃん人の裸見て興奮してるの?」
「なっ、ば、バカ、そうじゃない」
「そういう割には全身真っ赤だよ」
「っさい」
「図星か、なるほど」
小味は薄っすら悪の微笑みをした。
それに気づかずカリマはひたすら説教を続けている。
「大体、小味はな人をなんだと思って」
何か柔らかい感触がカリマの鱗に触れる。
「カリマちゃん」
何だと思いカリマは自分のお腹を見るとそこには小味が胸を押し付けていた。
「う、うわあああああっ」
顔を真っ赤に大混乱に陥るカリマ。
「カ・リ・マちゃん」
「ば、ば、ばばばばバカーっ。離れろー」
「え~だってカリマちゃんの肌ザラザラして気持ちいいんだもん」
「それでも離れろー」
「じゃあ、私、日本に帰っちゃおうかなー」
「え?」
「帰る方法知ってるんだー」
「ま、待て。それは困る」
「ふふーん。じゃあ、少しだけカリマちゃんの背中乗らせて」
「背中なら問題ないが」
「ついでに空を飛んでね」
「何でそうなる」
「だって台地にいると暑いんだもん」
「少しだけだぞ」
「ありがとう」
小味はカリマの背中に乗り、大空へと飛び立った。
「気持ちいいっ。雲の上まで飛んで」
「はいはい」
雲の更なる上まで上昇していく。
「涼しい」
「ったく、わがままお嬢さんだな」
「そういうカリマちゃんはスケベだね」
「っーーー。もう上まで飛んでやんないぞ」
「へぇ~そういうこと言うんだ。えいっ」
小味はカリマの背中に胸を押し付け抱き着いた。
「うひょひょひょひょーーーーーっ」
カリマはあまりの衝撃で元いた台地へと急降下で降りていくのであった。
そのラブラブの様子を誰かが録画しているとも知らずに。




