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第十話「戦い」
「あまり言うとお母さんの友達だって私は許さないぞ」
カリマは炎を口の中に溜め込む。
「やるというのだな?」
「私は自分の意志を貫き通すのみ」
「そうか、残念だ。いくぞ」
ゼロは待機しているドラゴン達に声をかけた。
一斉にドラゴン達はカリマに襲い掛かる。
「くっ、私はお前達なんかよりずっと強い」
あるドラゴンはカリマの足を押さえ噛みつく。
「痛っ、でも、こんなので私を倒すなどと百年早いわ!」
カリマは自分の尻尾で足元にいたドラゴンを蹴散らした。
「やるな、さすがお母さんに鍛えられたほどの戦力だ」
「こんな雑魚たちに相手してる余裕はない。おじさんがかかってこないというのならリーダーであるベロカを滅ぼすのみ」
くるりと方向転換をし地面を見る。
そこには上空の戦いを心配そうに見ているベロカと小味の姿があった。




