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日本語

 文章作法とか小説作法とか、そういうのはいろいろありますが。日本語そのものについて、ほんのすこし書いてみようかと思います。


 まず、日本語に限りませんが、文字として書く言葉が「文語」と、また話す言葉が「口語」と呼ばれる場合があります。あたりまえのことですが、その呼び方は間違いです。専門用語においても、文字として書く言葉は「書き言葉」であり、話す言葉は「話し言葉」と呼びます。あたりまえすぎる話なので、この話はここまで。


 次に句読点、とくに「、。」や、分野によっては「,。」とか「,.」。これらは、明治に入ってから、「そういうのを使うようにしよう」と決められたものであり、また現在に至っても「、。」の正書法は存在しません。読点をどう打つかは、よく問題になるかと思いますが、なぜ問題になるかと言えば、「こういうふうに使うことにしよう」という正書法(の一部)が存在しないためです。ついでにこういう例を見てみましょう:


|  1) 今日は晴れたが、風が強かった。

|  2) 今日は晴れた。が、風が強かった。


 個人の好みはあるでしょうが、1)も2)も理解できますし、理解できるということはどっちの書き方も間違いではありませんし、ついでに言えば伝わる意味も変わりません。これも正書法が存在しないことによります(まぁ、それも一因)。

 ちなみに、正書法が存在しないということは、三点リーダやカギかっこなどなどの使い方も、「こう使おう」という同意が存在しないということも含みます。

 「こう使おう」ということを説明している本もありますが、それは業界や会社や組織などの内部では「こう使おう」という程度のものでしかありません。その程度のものですから、正書法と呼ぶにはかなり遠いものです。

 ついでに書くと、段落も明治に入って導入されたものです。元来は英語なら「パラグラフ」にあたるものだったと思うのですが、今や「段落」と「パラグラフ」は別物になってしまっています。段落は正書法の範囲には入らないと思いますが、日本では小中高を通してライティングを行なわないからというのが実際の理由というところでしょう。


 さて、今の日本語から、昔の日本語に話を移しましょう。

 平安時代とかの日本語も、中学高校でちょびっと習っただけでそれなりに読めます。草書だからとか達筆だからとか万葉仮名だから読めないというのは別の話としてですが。1,000年前の自分たちの言葉を、中学高校でちょびっと習っただけでそれなりに読めるというのは、 珍しい部類に入ります。

 たとえば、米国産や英国産の映画やドラマで、生徒がラテン語やギリシア語に苦労するなんていう描写があったりします。まぁ、米国人や英国人にとってはラテン語やギリシア語は自分たちの言葉ではないわけですが。では、古英語や中世英語はどうかと言うと、現代の英語とはまったく別物です。もしかしたらラテン語の方が勉強しやすいんじゃないかと思えるくらい。まぁ、それは、ラテン語はきちんとした文法書と辞書が存在するからという理由もあるかと思いますが。

 1,000年前の書いた物が残っているのも、世界的に見れば珍しい部類になるかと思いますが、1,000年前の言葉をちょこっと習っただけでそれなりに読めるというのは、その中でも珍しい部類です。

 なお、当時の日本語には母音が八つありました。万葉仮名とかでの文字の使われ方が規則的なのでそう推測され、甲乙と区別します。母音以外にもそういうものがあり、どっちにしろ甲乙と区別します。


 話を最近に戻します。旧漢字、旧かなは、現在では読めないという話を耳にすることもありますが、そんなもんはただの慣れです。新漢字、新かなになったから、旧漢字、旧かなは読めないというのは、慣れが足りないだけです。


 ついでとして。おもに名前の漢字に、あくまで旧字体を使うことにこだわる人もいます。たとえば、会沢と書くと「會澤だ!」みたいな。戸籍上の文字がそうだという例もあり、役所に出す際にはそっちの文字で書かないとという場合もないわけではないでしょう。ですが、普段もそうだとしたら、お脳のお検査をした方がいいでしょう。まぁ、これが「芸」とかの時だと(で良かったかな?)、正当な理由がある場合もありますが。


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