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電池

　いや、計算から離れてるのはわかってます。でもエッセイ３、話数まだあるし。

　普通に見る電池というのは、化学電池です。充電できないもの(一次電池)も、充電できるもの(二次電池)も。これらは、化学反応からチマチマ電力を取り出します。規格を越えた電力を一気に取り出そうとすると、やろうとしても出てこないか、発熱でおかしなことになります。電池そのものの性能という話とも少し違います。電池そのものの性能向上していて、リチウム・イオン電池の性能向上に加えて、まだカリウム電池だったかな、もっと性能向上することが期待できます。

　ですが、ちょっとそういう話とは別の話です。ある一瞬に、いつもよりずっと大きい電力を使いたいというような場合を考えてくださ。そのような場合には、化学電池は対応できません。まぁ、その一瞬のために普段必要なのの何倍とかの電池を繋いでおくとかはありえないとは言えませんし、そうやって大容量にすれば、通常の使用であれば無充電で使える時間が長くなるという副作用も期待できないわけではありませんが。

　このあたりは、発電機でも結局同じです。火力発電は需要に応じて発電量を変えられるという特徴はあるものの、それはある一瞬においてというものに対応できるわけではありません。

　さて、ある一瞬に、いつもよりずっと大きい電力を使いたいという状況ですが、何とか砲において「充電率x％」とか、レールガンとか考えてみてください。普段からそれだけの電力を供給できるなら、配線を一瞬繋ぐだけです。それだと、普段は、その余剰分は何のためにあるんだかということになりますが。

　電池としては変わり種のフライホイール電池というのがあります。あることはあるし、実際に使われたとか使われているという例もあります。その割には意外に知られていないかも。フライホイール電池というのは、電力でフライホイールを回して、その運動エネルギーとして充電してやるものです。使う時には、その運動エネルギーから発電します。これは、ある一瞬に、いつもよりずっと大きい電力を使いたいというのにも使えないことはありません。一気にどれだけ取り出したいかにもよりますが。もちろん、普通のフライホイールより、超伝導状態でフライホイールを浮かせておいてやる方が、いろいろ嬉しいことがついてきます。でも、もうそれなりにあると言えばあるものを話しても面白くありません。

　そうすると、もう一つ、キャパシタ電池という変わり種があります。キャパシタというのはコンデンサのことです。と言っても、今どきは思い描き難いかもしれませんが。これは、コンデンサですから、電荷を電荷のまま溜めます。これの歴史は案外ありますし、物もあると言えばあります。ですが、去年か一昨年くらいまで、ちょっとなぁというところがありました。自然放電しちゃうとか、キャパシタのセルを多数集めて一つのキャパシタ電池を構成しますが、そのセルの個体差の影響とか。で、去年か一昨年くらいに、セルの集りをうまいこと制御して、個体差の影響を抑えるというような話がありました。その後、どうなってるんだろ？

　さて、キャパシタ電池の嬉しいところは電荷を電荷として溜めておくということです。化学エネルギーに変えることも、運動エネルギーに変えることもありません。これの何がうれしいかと言うと、電荷のまま溜めているので、回路が耐えられるなら、ある一瞬に、本当にある一瞬に一気に放電することも可能という点です。まぁ、可能かもしれないという点。逆に化学エネルギーに変える必要がないので、供給側とこっちの回路が耐えられるなら一瞬で充電できるという点も嬉しいです。もちろん、時間をかけて充電することもできます。まだ、自然放電の話はどうなってるんだろうというところはありますが。

　「何とか砲充電率x％」とかいうとき、フライホイール電池とキャパシタ電池、どっちが雰囲気出ますかね。世界によるということだとは思いますが。

　他の電池としては、原子力電池というものがあります。これは人工衛星や探査機に使われてたりしたとかしてます。原子力電池という名前から原子炉を想像されるかもしれませんが、別物です。原子炉は核分裂が連鎖して起きるように濃度を高めてやりますが、原子力電池は自然崩壊かそれに近い状態で使います。その崩壊を熱源として使ってやったり、α線からどうにかして熱源を得たりします。熱源と言っても湯沸器ではありません。自然崩壊くらいのものですから、そんな熱は出ませんし。そういう熱で発電してやったり、α線とかβ線から何やかんやして得られる光からの発電とかをしてます。これは何が嬉しいかというと、使うものにもよりますが、無茶苦茶長寿命ということです。まぁ周辺の回路が壊れなければ。ただし、微弱な熱や光源ですので、大電力が必要な場合には向いていません。人工衛星とか書きましたが、人体に埋込むタイプのこれも一応存在して、使われてたことはあります。今はもう使わないみたいですが。

　電池は、あとは太陽電池があるか。まぁこれは普通にわかると思うので省略します。まぁこれもアインシュタインに感謝の類いです。てか、ノーベル賞、これだし。