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エネルギー

 まぁ面倒な話をするつもりはありません。

 間違いもあるかと思うので、お気付きになられましたら、ご指摘いただければと思います。


 水。これはかなり安定な物質です。なのでいろいろ便利でもあります。

 とても安定で、とても便利なので、水力、火力、原子力(の全てではありませんが)は、水を使っています。まぁここでは火力と原子力での水の使い方は同じ。


 水力ですが、上から下に水が落ちるときのエネルギーの一部を取り出します。位置エネルギーが運動エネルギーに変換されるものの一部を取り出します。さて、問題です。その位置エネルギーはどこから来るでしょうか? これは二種類あります。まずは、太陽熱。まぁ普通の水力発電は、これ依存です。降った雨が川とかの上流にあれば、下流に比べて位置エネルギーを持ってます。もう一つは揚水発電です。これは発電施設より上に池を用意しておいて、夜間など、他の方法での電力に余裕があるときに、下から上に水を汲み上げておきます。んで、必要なときに上から下に水を落として、それで発電します。

 昔、住んでた所のすぐ近くに水力発電所がありました。で、思い出すと、流れを分けた後、片方がどっかに流れ込む感じになってたんですが(あ、想像しなくて結構です。自分でもよく覚えてないし)。あれ、どういうことだったんだろ? 揚水だったのか、揚水もあったのかだったはずだけど、上の池って小さかったような。その割に、上の池から下へのパイプというか何というか、それは太かったな。ジャイアント・ロボの足とか言われてた気がする。

 まぁ水はとても便利な物質なので、水力発電は規模もいろいろです。

 潮力、波力とかもあります。

 ですが、まぁ、ここでは水を重りに使っているようなものと思ってくれればいいと思います。

 例えば、重りを着けた糸を輪っかに巻き付けて、引っ張り上げたとしましょう。その分、その重りは位置エネルギーを得ています。それで、輪っかを押さえていたとして、その押さえていたのを離すと、重りが落ちて、位置エネルギーが運動エネルギーに変わります。その際、糸が着いている輪っかも一緒に回ります。その輪っかが、ただの輪っかではなくて発電機だとしたら、一部を得て発電します。

 水力発電は、そういう感じのものです。

 重りが落ちきってしまえば、どうにかしてまた巻き上げてやらないといけません。揚水なら電力で巻き上げてやりますし、そうでなければ太陽熱での巻き上げに期待するわけです。


 さて、では火力と原子力の方。これは結局湯沸器です。水に熱エネルギーを与えて、気化&膨張させます。それをタービンで回収して発電します。さて、火力などで与えたエネルギーを全部回収できればとても嬉しいのですが。これは不可能です。技術的にではなく、不可能。それでもできるだけ回収しようと、タービンは結構複雑な構造になってます。まぁ軸にブレードがついているだけと言えばそうなんですけど。ブレードを何種類も使ってたりとか。

 んで、別の問題もあって、こちらでは結局、根本としては熱はいらないんです。水がともかく気体として膨張してくれればいい。それがまた収縮するまでの間にエネルギーを取り出せればいいんです。ただ、膨張させる方法として、熱しか人間は持ってないわけです。ここがまぁ、まず無駄なんです。

 私は反火力でも、反原子力でもありません。湯沸器を使うしかないという限界に、「なんだかなぁ」感があるだけです。

 余談ですが、核融合の場合どうなるんでしょうね。核融合なのに、結局湯沸器だというのは、「なんだかなぁ」感があると思います。MHD(Magneto-Hydro-Dynamics、電磁流体力学)での発電ができると嬉しいですけど。まだ問題があるみたいです。

 まぁともかく、これは水が安定な物質だから使えるし、ちょうどいい重さもあるからとも言えますし、液体と気体をうまいこと行き来してくれるらとも言えます。行き来ということであれば、地球の公転軌道のおかげでもありますが。

 安定、安定と言っていますが、それがどういうことかというと、海や川やタンクや通路にある水がひょんひょん水素と酸素に分解しますなんてことになったら、困りますね。重りになってくれにくいです。逆に、やたら重合しまくるとかでも困ります。液体でも気体でも流れることが前提での方法ですから。でもいい感じに安定なので、そういうことがありません。便利です。


 さて、水は安定な物質というのには、別の意味のようなものもあります。水素と酸素を含んだ何らかの化学反応をさせたとします。結構水が出ます。持っている化学エネルギーとして、水は結構低いところにあるからです。水と何かが反応して熱を出すというのは、身近であるとともに、意外に少なくもあります。身近なのは、生石灰(酸化カルシウム)+水は、案外そこらにあると思います。これはあまり身近ではないと思いますが、強酸や強アルカリに水を加えても発熱します。どぱっと水を入れちゃだめですよ。いろいろ無茶苦茶危いですから。

 でも、何にせよ水が持つ化学エネルギーは低く、安定です。

 化学エネルギーが低いということは、水が出来る場合にはそれなりにエネルギーを放出するということです。ということは、水素と酸素に分解してやって、それをまた水にしてやると、また大きなエネルギーを得られるということでしょうか。うん。まぁ、そうなんですけど。化学エネルギーが低く、安定と書きましたよね。それは逆に言えば、分解するにはそれなりのエネルギーが必要ということです。素直にやろうとすると、あまり嬉しくないくらいです。

 まぁ、太陽にお願いしてその分のエネルギーを確保するという方法はありますが、そうでなければ、揚水発電と同じように、別の方法で作った電気を使って分解するのが簡単です。まぁ簡単ですけどね。ロス出まくり。

 それに対して、電気を取り出す方法もあります。それで、燃料電池に使う燃料とか、そこでも含めて触媒が重要になったりします。その燃料は、ありもの(要は石油)の分解や、バイオ燃料なんかが検討の範囲に入ってきます。バイオ燃料というか、広い意味でのアルコール系とかですけど。この場合、太陽と植物依存です。人工光合成、効率が良いものができると嬉しいですね。


 あと、熱容量が案外大きいという特徴もあります。大雑把に言えば、温まり難いけど、冷め難い。その特徴によって、海の表面と深海ではかなりの温度差があります。

 そこで(なのかな?)考えられているのに、長い棒を海にどうにかして設置する方法です。具体的な素材は知りませんけど、熱電対とか、そういうのと同じように温度差を電力に変える素材を使うらしいです。

 ですが、風力や太陽熱、太陽光に対して言うなら、その温度差はとても安定しています。そんでもって、海は広い。わお。便利な自然エネルギーだ。

 本当にそう思います?

 もし、あなたが環境について云々という意見を持っているなら、ちょっと考えてみてください。海の表面を冷やして、下の方を温めるわけです。


 ところで、人間はあくまで熱帯からせいぜい亜熱帯の生き物です。「北極圏にも人間は住んでるじゃん」と思われるかもしれません。じゃぁ、その人たちは裸や布一枚で暮していますか? いませんね。服を来て、肌の表面に熱帯を作ってるわけです。

 生物にとっての生活環境というのは、そんな感じなわけです。

「でもでも、影響を与える範囲が狭ければ」

 と思われるかもしれません。そうですね、そこのところはわかりません。


 あ、それで追加しておくと、私は反火力でも、反原子力でも、それと環境保護派でもありません。むしろ言うなら、「地球は使い捨てにする方法をちゃんと考えよう」派です。ただ注釈を付けるなら、「使い捨てまでに脱出する方法を確立しなければならない」と考えているだけです。


 話を戻して、水力とその他の自然エネルギーは、現在の太陽に依存しているということに注目してください。あ、自然エネルギーって言い方もいまいちか。再生可能エネルギーっていうのはおこがましいと思いますし。だって、太陽依存なんだし。人間が再生させるわけじゃないし。原子力だって自然のエネルギーだし。

 石油はまだどうなんだからわかってなかったんでしたっけ? 無機合成なら、かなりあるはずですけど。まぁそれでも掘れるかどうかは別問題。

 あと、地熱ですが、それでの発電そのものは結局湯沸器。で、以前書いた気もしますが、その湯沸器が、どうも地球生成時の熱が残っているだけでは説明できない。どうやら熱核反応もそれなりに起っているらしいです。地熱発電は原子力! まぁそれは言い過ぎですが。


 さて、水って便利という話から始めましたが、ここでもうひとつ、閉鎖系と開放系という区別をして欲しいという話でもあります。まぁ、何かが閉鎖系か開放系かは、系の範囲をどこまでに見るかにもよりますが。太陽依存というのは開放系という話です。内部に熱源やそれに相当するものがないかぎり、閉鎖系からは何にもエネルギーを取りだせません。てか内部に熱源やそれに相当するものがないかぎり、閉鎖系の維持も困難です。えーと、どっかに検証があったはずだけど。無理。というのも、基本、熱はだだもれ前提なので。

 あ、宇宙での熱排出には困難があるという話を聞いたことがあるかと思います。自然に出る赤外線だけだと、内部で発生する熱を排出するのが面倒というような話です。まぁ、媒介があれば簡単なんですけどね。

 んで、じゃぁ内部に熱がたまったとして、それを使えるかというと、それはまた別の話。基本使えません。マックスウェルの悪魔がいてくれればって思いますね。まぁ、これはこれで面倒な話がいろいろあるのですが、そちらは割愛します。


 ともかくとして、タイトルの「エネルギー」の根っこの話に移って、これを閉めます。

 安価なエネルギーとか、水からエネルギーと言ったような場合、開放系なのか閉鎖系なのかをちょっと見てみてください。これだけで、「あれ?」というものが区別できます。逆に言えば、SciFiとか書く場合、そこを少し注意する必要があるということでもあります。


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