エピローグ
ノアに殴られてから数日が経って一通の手紙が届いた。
{オリバーには感謝もしている。俺がどうしようもないときにパーティに誘ってくれたり、仲間の大切さを教えてくれたきっかけはお前だ。俺だって一人だったらお前と同じ過ちを犯していたかもしれない。もう俺はお前のことを恨んだり、憎んだりしない}
「あいつ...」
そして最後の一文
{俺はお前を見ても憎いとは思わない。だから次会う時は友達として}
「あぁぁぁぁぁぁ...」
なんで俺はこんな奴を裏切ったんだ。周りから人が消えてやっと気づいた。どれだけ仲間が大切だったことか。ノアを恨んでいた事を悔やんだ。
「ごめん。本当にごめん」
誰もいないのに膝をつきながら何度も何度もノアに対して謝った。
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オリバーに対して手紙を書いた。あいつの影とリンクしたとき、俺をどれだけ恨んでいたかを知っている。だからこそあいつには前を向いてほしい。もう同じ過ちを犯してほしくない。それにあいつのおかげで今の俺がいるとも思う。だから俺はあいつを許すことにした。あいつが独房にいる期間は1年程。
(次会う時は前みたいに友達として会いたいな)
俺たちは予定通り魔法都市スクリーティアに向かうことになった。国王様には今後もルビアのことを頼むと言われた。
そこから数か月後。マヤ様がローリライ王国に帰還した。
「ただいま」
「おかえりマヤ姉!」
「うん! それにノアくんも久しぶり話は聞いてるよ!」
「マヤ様、お久しぶりです」
何年ぶりだろう。流石ルビアの姉と言うべきか、ものすごく美人になっていた。
(ルビアも今後こうなるのかな?)
今のルビアはまだ幼い部分がある。それに比べてマヤ様は大人の色気さが出ていた。
「すぐスクリーティアに行くんでしょ?」
「うん!」
その後、ルビアとマヤ様で会話を少しして自室に戻った。
「前に言ったこと覚えてる?」
「ごめん。忘れた」
「スクリーティアには護衛役と執事役の2人を同席することができるって言ったじゃん!」
「あぁ...」
そんなこと言っていたな。
「本当はノアには執事役として来てもらいたかったんだけど、今回の件もあって無理だってわかった。だからノアには貴族科として来てもらうことにしたわ」
「え?」
護衛役じゃないのか?
「ノアって男爵じゃん? だったら行けると思って! そしたら護衛兼執事もできるかなって思って!」
「...」
「約束! 私の願いを一つ叶えること! 忘れちゃったの?」
「あ!」
忘れてた...。そんなことも言ったな...。
「ダメかな?」
「いや、貴族科としていくよ」
「良かった!」
スクリーティアに行ったら護衛兼執事をやるってことだろ? 過酷すぎるだろ!
「でもノア一人で仕事をするのも大変だと思うから向こうで良い人が居れば雇おうと思うわ」
良かった...。
「わかった」
予想していたのとは違かったが、国王にも頼まれているししょうがない。それにルビアの護衛としていくとは決めていたのだから。家に帰るとふと思い出す。
(そう言えば...)
「父さん」
「ん?」
「俺の家、アリアブル家って何かあるのか?」
「...」
なんで黙っているんだよ。怖いだろ。すると真剣な顔で俺に聞いてくる。
「それをどこで?」
「ドーイと魔族がアリアブル家に反応していたから」
「...。今は話せない。お前が家を継ぐ時に話そうと思っている」
マジでなんかあるのかよ...。聞くのが怖くなってきた。まあ今は聞けないらしいからいいけどさ。
「わかった」
「それでだけど国王にも頼んでお前の護衛役を決めさせてもらった」
「は? 俺に護衛?」
いやいや、俺がルビアの護衛役としていくのに俺に護衛役とかいらないだろ。
「そうだ。お前も貴族科としていくのだから護衛役は必要だ。だから今回、護衛役としてラッドくんを連れて行くように」
「...。わかった」
まあ実力はあるからいいけどさ。それに知っている人だし。その後、ラッドくんと少し話す。
「ラッドくんは本当にいいの?」
「はい。それよりも自分を連れて行っても大丈夫なのですか?」
「まあ国の方針だからしょうがないかな。それにラッドくんは強いし俺自身もいいと思ってる」
知っている人で家に仕えている人なら護衛としても安心していられるしな。
「ではお願いします」
「こちらこそお願いします」
こうしてスクリーティアに行くメンバーが決まったので、ルビアもラッドくんのことを了承してくれたしよかった。残っている時間でマリアとアレックスにお礼を言いに行ったり、トニーさんに修業をつけてもらったりしてとうとうスクリーティアに向かう日になった。
この時はまだアリアブル家の真実など何も知らなかった。





