3話 練習
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ルートさんに個室へ連れられて、基礎的な練習が始まる前に質問される。
「まず最初に執事とはなんだと思いますか?」
なんだろう...。護衛と対して変わらないイメージだけど。護衛は主人の身の安全を守る人に対して、執事は主人の雑用及び相談などを受ける人だと思う。
「主人の近くに常にいて、頼まれたことをやる人でしょうか?」
「まあ間違ってはいないね。執事とは主人が頼みそうなことを常に予測してかなえる人。そして家などの家事全般を仕切る人だよ」
「家事全般を仕切る人?」
「そう。例えばローリライ家にはたくさんのメイドがいる。だけど指示する人がいなければ何をやればいいかわからないよね。だからそのような指示をすることも仕事の一環。そして主人が危険な目にあったら盾になる役割もしている」
言われてみればそうか。いつもルートさんがメイドたちに指示を出している。それが家事全般を仕切る人ってことか。後。危険な目にあったら盾になるって言ってたけど、それって護衛役がやることじゃないのか?
「盾ですか...」
「うん。もしも主人が殺されそうになる。その時、大抵は執事が身近にいるものだよ。近くにいるのが仕事だからね。そして護衛が助けに来る間、主人を守る人はいない。だから執事が盾になるんだ」
そっか。ルビアは執事がいなかったからわからなかったけど、普通は専属執事がいるもんな。
「だから主人のことを第一に考えて行動してね。執事の恥は主人の恥でもあるから」
「わかりました」
心構えは護衛と一緒だな。でも執事って思っている以上に大変じゃないか。俺に務まるのか?
「じゃあ練習を始めようか」
「はい」
「まず最初に立ち振る舞いから学んでもらう。これは護衛と一緒だけど執事は主人と一緒に歩いちゃいけない。絶対に1.2歩後ろを歩くこと。そして歩き方だけど」
ルートさんがそう言うと俺に近づいてきて指導に入った。歩く時や立っている時などすべてにおいて背筋を伸ばして立つこと。それが少しでも崩れてはいけない。そしてお辞儀をするときは絶対に左手が前、右手が後ろであること。
他にもいろいろとご指導を受けた。最初こそ簡単だと思っていが30分ほどたつと
「背筋が崩れてますよ」
「すみません」
「最低4時間は背筋をきれいにすることができなくてはいけません」
なんでだ? 俺は首を傾げてしまう。
「午前と午後の間にお昼が挟まれると思います。その概ねの時間が4時間です」
そう言うことか。
「ありがとうございます」
その後、徹底的に背筋を伸ばすことだけ数時間練習させられた。
(疲れた...)
やっと終わった。それにしても背筋を伸ばすってこんなに大変なんだな...。
こんな日々が半月ほど続いてやっと最低限度の立ち振る舞いや言葉遣いなどができるようになった。本番まであと2週間...。
(本当に大丈夫かな...)
不安に思いながら執事の練習をしている時、ルビアがニコニコしながら俺のもとにやってきた。





