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20 野営準備

今日、二回目の投稿です。


明日から野営訓練となれば、早速準備に取り掛からなくては!

食糧はもちろんだけど、野営するのにテントとか灯りとか寝具とか……。

ウキウキで一人脳内会議をしていると、兄は「楽しんでおいでね」とそっと手紙を残して出て行った。


「レミー様、野営道具等の準備をこれからすぐに始めたいと思いますが、よろしいですか?」


兄と入れ違いでニールがやってきた。

微笑ましそうに見てくるのは止めて欲しい。

きっと、先に聞いてたんだな。


「それと、お手紙の方は先に読まれておいた方がよろしいかと」


「あらそうなの?」


渡されたちょっと分厚い手紙に視線を落とす。

……なんで分厚いんだろう?


封を開けると目に飛び込んできたのは、紙にびっしりと埋まった文字文字文字……。

いや、読みたくなくなるよ。


その手紙は、全部で7枚。多いよ。

私の体調を気遣う文から始まり終わった一枚目。

逢えない事への愚痴の2枚目。

私を思い出して切なくなっている日々を綴った3枚目。

逢った時にしたい事(希望)の4枚目。

……ほぼ私への愛が炸裂した内容だ。


(―――――いやうん、今はマジでそういうの必要ないから)


そして、5枚目からが本題。

そこに書いてあったのは、『一人で魔の森に取り残されても1週間は自力で生き残れるようになろうね』というものだった。


はあ?! どうい言う事?!

しかも準備時間は今日一日だけ?!

必要な道具を自分で考えてこれから揃えろ?!

なんちゅうスパルタよ!!


……あぁ……そういえばうちの領、変な所でスパルタだったわ。

魔法の練習とか剣の練習とか……。

思い出すだけで身震いするわ!


6枚目は『野営頑張ってね』の激励、7枚目は魔道具開発に対する褒め言葉。

最後に帰領予定日が書いてあり、ホント愛が重たい手紙だった。

……読むのに時間かかっちゃったし、何か疲れた。


と、とにかく物品と食糧を確保せねば!

一応、ニール達護衛も一緒だし、彼等は私とは別にきちんと準備をして行くみたいだし、今回は私一人の力でどこまで出来るのかを試すための訓練なのだろう。

なら、しっかり考えて私の考えうる最悪を想定しながら準備しよう。

それに、一度やってみなくちゃ、どんなサバイバル道具が役に立つか分からないしね。


よしっ。さっさと買い物に出かけましょう。

ニールが手紙を先に読めと促してくれなかったら、キャンプ気分でヌルイ装備を持ってってたかも。

ありがと、ニール。


「すぐ出かけましょう。いいかしら?」


「はい。今日は私とエドワード、アルバートがお供をします。それ以外の者は屋敷にて野営準備をさせて頂きます」


「わかったわ。……そうだ。ニールは手紙の内容を知っている?」


「はい。買い物に口出しはしないように言われています」


「そうなのね。でも、アドバイスを求めるのはいいのかな?」


「……今回はレミー様のお考えのみでお願いします」


「そうなのね……わかったわ。頑張ってみる」


『可愛い子には旅をさせろ』っていうけど、魔物が跋扈する危険地帯『魔の森』に旅をさせようとするのはどうかと思うわ。父よ。




その後、ニールに道具屋やら防具屋やら武器屋やら雑貨屋やらを案内してもらい、必要と思ったものはバンバン買い漁ったよ。

特に食糧は、ニール達に止められようが、材料1か月分、調理済みの料理1週間分を購入してやった。

ひもじいのは許せん。


その日、買い物から帰ると物品を全て『亜空間倉庫』にぶち込み、しかも夜に必要そうかなと思った魔道具をちょこちょこ作っておいた。

私に抜かりはない。きっと。

だって、うちの領のスパルタ嘗めちゃアカン。

やると言ったらやるんだもん。




読んでくださりありがとうございますm(_ _)m


デンシバース様にて5/18(本日)からコミカライズの連載が始まりました!


これも読んで下さる皆様のおかげです。

本当にありがとうございますm(_ _)m


本編が中々進まなくて申し訳ないので、せめて少しでも本編の続きをと思いまして、二度目の更新をしました。


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