淀みなく語る数奇ーパングラム83
前回パングラム82の答えーゆすき 椎名ユズキさまでしたー!
絶賛連載中コメディ「お兄ちゃん、大好き(*'▽'*)」、いったい今後どうなるんでしょうか? 進展してはいけない、ですよね?
言葉の余韻が雪に弾む詩「雪の降る中ふわり舞う」https://book1.adouzi.eu.org/n0351gs/ 素敵です!
また、蕩けそうなにゃんこ二編 ひとつは童話「みかちゃんのにゃんこ」https://book1.adouzi.eu.org/n4042gr/
こちらは詩「師走のにゃんこ」https://book1.adouzi.eu.org/n8428gq/
どちらも可愛すぎる~。みこと。さま(パングラム81番の方)のFAがまたたまりません。
今日は、今までどこに隠れておられたんですかー?とお伺いしたい、ユーザIDば妙に古いのに、去年以来、珠玉の短編を連発されておられます!
ひとつだけ、2016年投稿作を見つけました~
○○○
よとみなくかたる
すうきのほらあに
おそれをはわせ
こえてしふんいろもつけ
むねひやさぬちゆへ
淀みなく語る
数奇のホラアに
恐れを這わせ
声で自分色も付け
胸冷やさぬ治癒へ
それらの短編、ひとつひとつの完成度が高く、根っからのストーリーテラーなんだなあと詠嘆してしまいます。
文章はまさに、淀みなく流れます。
数寄という単語、読み方によって少し意味が変わるようで、「すき」だと茶道などでいう風流なこと、「すうき」となると、数奇な運命、不遇なめぐり合わせとか不幸な、みたいな意味が出ると思います。
「すうき」にしたのは、「う」が余ったんだろう?と思われるかもしれませんが、そうでもない。
「う」の使途多いんです。最後までに残ることは経験上ありません。
書かれているホラーが、スプラッタやグロでもなく、状況や不可解、不条理に恐いと思ったので、不遇な意味での「すうき」を取らせていただきました。
「あ」も意図的です。「ホラー」より「ホラア」のほうが恐い気がして、古風に。
百物語でもしているように静かなお声で語られる筆致は個性的で、やっぱり恐い。
でも、ホラーのヒーリング効果ってあると思うんです。
一般的には自分は大丈夫という浅薄な安心だったりもしますが、こちらの作者さまが書かれるものは、ホラーなのに胸がじんとする癒し方が含まれているように思います。
安定の筆力は純文学ジャンルにアップされているお作にも窺えます。




