表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/112

一章から四章までのあらすじとキャラクター紹介(イラストあり)

【一章】


 西暦2211年、人類初の星間戦争が、地球国家と月面都市群の間で勃発。超能力者たちが宇宙で戦う時代が来たのだ。それから八年後の、西暦2219年六月七日。

 十七才の少女、――朝乃は戦争で父母をなくし、日本の戦災孤児院で働いていた。突然、戦場に行ったはずの双子の弟、――裕也が孤児院に帰ってくる。


「さっさと送った方が安全だから、必要なことだけを言う。自分の身は、自分で守ってくれ」


 裕也は超能力を使って、地球の日本から中立の月面都市「浮舟」へ、朝乃を送りこんだ。朝乃は事情が分からずにとまどう。朝乃の前に、二十八才の青年、――ドルーアが現れた。


「どうやって僕の家に入ったのかな、お嬢さん。君を招待した覚えはないけれど」


 裕也は朝乃を瞬間移動テレポートで、ドルーアの家に放りこんだのだ。朝乃の登場はドルーアにとっても、予想外で突然のことだった。

 キザでナンパなドルーアに、朝乃は振りまわされる。ドルーアは人気のある役者で、戦争反対を訴え続けている。


「朝乃を私たちに引き渡してください。日本を敵に回したいのですか?」


 武器を持った男たちが朝乃をねらって、ドルーアの家に押し入ってくる。ドルーアと朝乃は応戦し、なんとか男たちを撃退した。


「僕たちは意外にいいコンビだ。ふたりで力を合わせて、悪いやつをやっつけた」


 ドルーアは朝乃のほおに、キスをする。朝乃は、自分を命がけで守ったドルーアに、淡い恋心を抱いた。ドルーアは十一才も年上で、朝乃を子ども扱いするのに。


挿絵(By みてみん)


主人公の朝乃。家庭的で従順な性格をしている。ドルーアに片想い中。

Picrewピクルー』の『性癖女子メーカー』で製作。イラストレーターは、桜いろはさん。

https://picrew.me/image_maker/5462

https://twitter.com/YumeKanaTukiyo


【二章】


 襲撃者たちによって、ドルーアの家は壊された。朝乃はドルーアの友人で、裕也の知り合いでもある功(三十才)の家へ行く。功は二年前に、妻と日本から浮舟へ亡命してきた。


「ドルーアから君を守るように頼まれている。それに君は、裕也君の姉でもある」


 朝乃は、自分が浮舟に来たのと同じタイミングで、日本の宇宙港が火事になっていることを知る。予期せぬニュースに、朝乃と功は動揺する。


「裕也君の超能力は尋常じゃない。地球から月まで人間ひとりを瞬間移動させるなんて、彼以外、誰にもできない」

「その裕也の力を手に入れるために、二十三の月面都市と日本を含め地球上の国々が、君をねらっている」


 超能力者は稀な存在だ。だがたいていの場合、大した力を持たない。人の心を読む、物体を浮かせるなどの力を持つ者は、ほんの一握りのAランクかSランクだけだ。

 Sランクの超能力者たちよりも、ずっと強い力を持つのが裕也だ。他に追随を許さない、世界最高の超能力者。朝乃は、そんな裕也の唯一の肉親だ。


「裕也君は従軍後、軍や戦争に嫌気がさした。しかし君を人質にとられたので、戦い続けた。なので君を浮舟に逃がして、自分も軍から逃げた」


 裕也が今、どこで何をしているのか分からない。けれど朝乃は裕也を信じて、彼の望みどおり浮舟に亡命することを決めた。


挿絵(By みてみん)


ヒーローのドルーア。兄のように恋人のように、朝乃を守り愛している。

Picrewピクルー』の『推し男メーカー』で製作。イラストレーターは、ぐ~ちゃんさん。

https://picrew.me/image_maker/12057

https://twitter.com/339porori


【三章】


 浮舟に亡命する手続きを行うために、朝乃とドルーアは入国管理局へ向かう。職員のひとりである信士(三十六才)が窓口で応対する。

 そこへ同じく職員のジョシュア(三十九才)がやってくる。


「市長は、朝乃さんの身を心配しています。安全な市庁舎に連れてくるように、市長から命令されています」


 朝乃とドルーアと信士は、ジョシュアに促されて、市長のタニア(四十七才)に会うために市庁舎へ向かう。ところが管理局の裏手で、不審な男たちに襲われる。


「朝乃、人の多い場所へ逃げるんだ」


 ジョシュアは銃で撃たれて、ドルーアと信士は応戦する。朝乃も麻酔銃で撃たれて、意識を失った。

 朝乃が目覚めたとき、そこは病院だった。裕也が誰にもばれずに、朝乃たちを助けたらしい。


――俺が助けたことは黙っていろ。


 朝乃は病院で、信士の養子である一郎(十八才)と出会う。一郎は、ドルーアの弟であるニューヨーク(十九才)と友人であるらしい。

 しかしドルーアは、家族と仲が悪いようだった。特に、弟のゲイター(二十五才)と。ゲイターは、軍需企業であるドラド社の役員のひとりだ。


「しばらく会えないけれど、元気で」


 ドルーアは管理局裏手の襲撃事件の真相を探るために、朝乃のもとからいなくなる。朝乃はショックを受けるが、功は朝乃に、ドルーアをそっとしておくように言う。


「俺の家に、養子として来てほしい。俺も俺の妻も、君を大切にする」


 朝乃は功の申し出を受けて、彼の家へ向かった。功の妻である翠(三十才)は妊婦で、朝乃をあたたかく歓迎した。


挿絵(By みてみん)


影の主役の裕也。シスコンで、チートな超能力者。功にあこがれている。

Picrewピクルー』の『キミの世界メーカー』で製作。イラストレーターは、真崎マサキさん。

https://picrew.me/image_maker/54346

https://twitter.com/skmw_i


【四章】


 朝乃が孤児院を出て行ってから、六日後。朝乃は、孤児院院長の由美(四十八才)と電話で話した。その電話で、彼女は何かを暗号で伝えてくる。

 電話の後、裕也が朝乃に会いに来た。瞬間移動して、唐突に家の中に入ってきたのだ。朝乃は裕也との再会に驚き、喜ぶ。


「俺は、朝乃に言えないことをいろいろしてきた。俺は変わったんだ」


 朝乃は、日本の宇宙港に火をつけたのは裕也と知る。裕也に会うために、ドルーアもやってくる。ひさしぶりに会ったドルーアに、朝乃はときめいてしまう。


「あなたは彼女と一緒に、和平を訴えてくれる存在です」


 裕也はドルーアに、一通の手紙を渡す。ドルーアの元恋人であるジャニス(三十一才)からのラブレターだ。ジャニスは歌手で、反戦歌を歌っている。

 朝乃は、ドルーアはジャニスを愛している、自分は失恋すると考えていた。が、ドルーアはジャニスを振ってしまう。


「僕がプライベートで君の手を取ることはないと、はっきりと書いた」


 またドルーアは裕也のメールアドレスから、裕也が中国に住んでいることを言い当てる。


「君は、千里眼のミンヤンと関わりがある?」


 裕也は今、Sランク超能力者のミンヤン(七十五才)のもとに、秘密裏に身を寄せている。ミンヤンは中国に住み、星間戦争をやめるように訴えている。


「俺は、ミンヤンさんが俺を必要と言ってくれるから、生きているのです」


 裕也はミンヤンの力になり、戦争を終結させる、超能力者たちが戦場へ送られる世の中を変えると言う。朝乃は裕也の熱意に驚き、戦争に対する自身の考え方を見直す。

 ドルーアもミンヤンを尊敬している。ドルーアは、裕也が自由に動けるように朝乃を守ると、裕也に約束した。そして朝乃に、今夜、電話すると告げた。


――五章へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説の更新予定や裏話などは、活動報告をお読みください。→『宣芳まゆりの活動報告』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ