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討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
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 86 大森城攻め

「新八郎、弥太郎、又四郎、三弥左衛門、先触れを。高野口の援軍に向かう途中に寄ると言え。逆らう様ならば、城門を開き兵を入れよ」


 大森城へ、戦場に向かう途中だから休憩させろと先触れを出す。

 仙石新八郎、安食弥太郎、兼松又四郎、本多三弥左衛門、武闘派ばかり出しているのは、勿論一戦覚悟している為だ。

 武闘派ばかりだから、勝手に戦を始めてしまわないか少し心配だが…



 まずは奥村氏が治める大森城を、楽に落としたい。

 その為に大森城は、高野口へ援軍に行くので休ませろと先触れを出して素知らぬ顔で近づき、城門を制圧して一息に落とす。

 兵力差があるうえに、城主も出陣して留守なので、奇襲をかけて短時間で終わらせたい。

 まあ、この兵力差でも攻撃を仕掛けてくる可能性もあるが、城門さえ開けてくれれば、なんとかなるだろう。


 …が、何とかやり過ごそうと思ったのだろうか、あっさり俺達を招き入れてくれる。

 敵方は、俺達が城主の奥村又八郎が離反した事に気付いておらず、城主は高野口へ援軍に出たと信じていると、思っているのだろう。

 暫くすれば出ていくだろうし、ここで下手を打ってバレたくはないと判断したのだろう。

 まさか、もう離反したのがバレているとは、予想外の展開だったようだ。

 だが俺達は、奥村又八郎が離反する事を予想済みだったからな。


 兵は生駒甚助、可児六郎左衛門に任せ、家臣と共にズンズン奥へと進んで行き、屋敷まで通されると、出迎えた城の者を問答無用に捕えて、城主の家族を確保する。

 それが終わると兵を城内へ雪崩れ込ませ抵抗する者達を掃討する。

 少し物足りないが、今はさっさと次へ行きたい。


「鵜八、八郎右衛門、茂助、一隊を率いて羽崎城へ向かえ。無理に落とす必要はないが、金山の状況に合わせて良いように動け」


 落とせるなら落としても構わないし、戦の終わった後で全軍で囲んでも良い、状況次第では金山城へ向かった羽崎軍を挟撃してもいい。

 どうするかは、大島鵜八、山田八郎右衛門、堀尾茂助の三人に任せる。


「大森城は、甚助殿にお任せする」


「万事お任せ下され。傳兵衛殿も御武運を」


 生駒さんに大森城を一先ず預ける。

 奥村又八郎が帰って来るかもしれないし、金山や羽崎の状況次第で動いて貰わないと。

 それに与力に、もうこれ以上の手柄は要らないよね。


「我らは、このまま久々利城を落とす」


 さて、今日のうちに、とっとと終わらせましょうかね。

 連戦にはなるが、ほとんど戦っていないので疲れはないだろう。

 土岐悪五郎は、高野口へ向かったようなので、またまた城主不在のはずだが。

 土岐悪五郎の事は、それとなく親父に注意してあるし、将右衛門に援軍を頼んでいるので大丈夫のはず。

 さて、空き巣狙いパート2に移ろう。

 次が本命の久々利城だ。

 策は仕込んであるが、上手くいきますように。

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