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討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
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 65 堂洞城本丸突入

 とうとう西側から攻め寄せていた河尻与兵衛殿や丹羽五郎左衛門殿と合流してしまい、本丸を目指す。

 合流してしまったので、敵の攻撃が強くなる…ような気がする。

 森家へのヘイトを抑えるために頑張ったのに、他家と一緒にいれば意味がない…訳ではないが、キツくなる。

 まあ、キツくなるといっても、加治田衆への攻撃に比べればマシというものだが。


 戦は乱戦の様を(てい)してきた。

 この戦いは俺の元服後の最初の戦い、まさに初陣(ういじん)

 熱田での戦いは、あくまでも偶然に服部党と出会ってしまった事で起こった戦い…のはず…

 ちゃんとした戦いは、これが初めてになる。

 なのに、乱戦。

 流石の武闘派の森家でも、一応の常識のある親父が共に出陣しているので、嫡男の俺が乱戦に巻き込まれないように、周りを家臣たちに囲まれてしまい前へ出させてもらえない。

 乱戦なんてしたくないから全く構わないのだが、一応はやる気は見せておかないといけない。

 (たま)に不意をついて前へ出ようとして、わざと見つかって止められるというのを何回か繰り返しておく。

 いくら攻めの三左の子とはいえ、初陣で27の首を取ったりとか無茶する気は更々ない。



 しかし、岸さん一家頑張りすぎじゃね?

 俺が子供を助けたお陰で後顧の(うれ)いが無くなったとか言わないでくれよ?

 一応史実で討ち死にしたのは、勘解由殿、孫四郎殿、三郎兵衛殿と、勘解由殿の奥方…昨日会った人全員だな。

 孫四郎殿の弟や長男以外の子供達、三郎兵衛殿の子供は、生き残っているようだが。

 なんとか討ち死にする前に降伏してほしいものだ。


 大田牛一が自書(じしょ)の信長公記で、珍しく自分をアピールしているように、矢をバシバシ射ちまくり活躍を見せる。

 そんな中、迫り来る敵を(周りの者が)バッサバッサと斬り倒し、本丸へと向かう。

 すると、北の加治田衆側で、うぉーっと鬨の声が上がる。

 これは…孫四郎殿が討ち取られたか…

 勘解由殿を降伏させるのは、諦めるしかないか…

 結局史実通りになるのかな?



 勢いに乗って河尻軍と共に、一気に本丸へと攻め込む。

 本丸で暴れまわる親父と与兵衛殿を横目に、三郎兵衛殿を探す。

 ここまで来れば勝ったも同然、油断して討たれる事のないように頑張って下さい。


「三郎兵衛殿!」


 全身返り血で真っ赤に染まった三郎兵衛殿を発見し、声を掛ける。

 確かこの人、勘解由殿の死後も戦い続けて討ち死にしているらしいから、まだ大丈夫だとは思ったが、やっぱりまだ生きていたな。


「傳兵衛殿か!」


 さて史実では、まだこの後に長井隼人の援軍が来るはずなので、さっさと降伏して欲しいのだが。

 幸い森家の兵はそれほど被害を受けていないが、反対に加治田の兵の被害は大きくなっているはず。

 加治田の兵が減り過ぎて、敵の援軍に城を落とされるとかいう事態になるのは、勘弁して欲しいしな。

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