526 何で居んねん?
敵か味方か分からない四宮右近(光武)に、四宮隠岐守の裏切りを糾弾して隠岐守の首を要求すると共に、裏切ってないのなら兵を率いて雨滝城の攻略に参加しろと命じる。
まあ、四宮家の事はそれでいいんだが、それよりも重要なのは讃岐衆の引き抜きの方だ。
細川家が権力を握っていた頃の讃岐国の勢力といえば、東から寒川家、安富家、植田家、香西家、奈良家、香川家だったのだが…その中で味方である香川家は一番西にあって今回の戦場から遠い位置にある。
香西家は史実の動きからして、まだ何とか説き伏せられる可能性がある。
奈良家は…まだ家は残ってはいるけど、既に没落しているので考えなくてもいいかな。
問題なのは安富家の隣に勢力を持つ植田家だ。
本当なら植田家を懐柔し、寒川家と共に安富家を挟み撃ちにしたいところなのだが、
植田家は三好家にベッタリだ。
しかも植田家の分家筋に、あの十河家がある。
ちょっと懐柔は難しいかなぁ。
植田家よりも十河家を調略した方が早いんだろうけど…
三好義継が十河家を懐柔してくれていると楽に勝てるんだけどなあ。
俺も三好家や阿波、讃岐国の諸勢力に調略を掛けているけど、その効果が出るのはもう少し後になるだろう。
今回は小細工なしでどうにかするしかないかぁ…
そうだ、始めから三好家と敵対している香川之景はどうしているんだろう?
「弥八郎(本多正信)、中務丞(香川之景)殿は如何しておる?」
お前、俺が留守の間に官兵衛と共にずいぶん暴れてくれたみたいだな。
「中務丞殿は三好家への反抗の姿勢を崩しておりませぬ。当家への協力も変わらずに御座いますな」
香川之景が変わらず味方でいてくれるのは良い事だが、今回の戦場までは少し遠いな。
「香西家への調略は如何なっておる?」
「此度の三好家の暴挙には伊賀守(香西佳清)殿も相当不満に思うておられる様に御座る。今も中務丞殿と共に阿波守(三好長治)を非難しておられます」
弥八郎の話では、香西佳清への調略の手応えは悪くないらしい。
「ならば、伊賀守に十河家への牽制を頼めぬか?」
香西家が協力して隣の十河家へ対抗してくれれば、今回の戦も楽になるんだけどな。
「牽制するだけであれば、中務丞殿の助力があれば聞き届けていただけるかと」
「頼む。但し、始めは牽制だけだ。十河家にも調略は掛けておる。下手に手を出して反感を買い、調略を無駄にしたくはない」
「はっ、相手から仕掛けてくるまでは様子見するよう念を押しておきましょう」
三好家、十河家、篠原家、足利家等の調略の結果がどうなるかは知らんけど、内側でギクシャクしてくれるだけでも有り難いからな。
「さて、兵部少輔殿。我等も雨滝城へ参りましょうぞ!」
何故か小寺官兵衛が、家臣面をして後詰めを勧めてくる。
いや、お前はウチの家臣じゃないからな!
何故、然も居て当たり前って顔でここに居んねん?
「官兵衛殿にも儂が留守の間、皆が世話になった様で忝ない」
「水臭い事を。某と兵部少輔殿の仲ではありませぬか!」
いや、どんな仲だよ!
まあ、あの有名な黒田官兵衛を味方に出来るのであれば、迷惑どころか有り難いんだけどさぁ。
無事退院いたしました!
おかしい、2週間くらいって言ってたのに・・・
教訓:医者の言う事は聞き流さない!(自業自得)




