525 妄想じゃないよ【地図あり】
勝三郎(森隆恒)と内蔵助(斎藤利三)の話によると、寒川家とは小豆島の西半分を割譲する代わりに、後詰めを送るという事で話がついているらしい。
それは構わない。
寒川家を同盟に迎える事が出来るうえに、小豆島の半分を割譲してもらえるんだから。
実質、小豆島は織田家の思い通りになるという事だし。
しかし、もう後詰めの兵が讃岐国へ上陸していて、安富家と戦っているのは何故だろう。
ウチの脳筋共が小豆島で戦っていると聞いて、直ぐに赤穂へ使いを送ったというのに?
安富家の所領へは攻め入っても良いとは言ったけど、そんなに急いで攻め込まなくても…
しかも味方に三好家への内通者がいるのを分かっていて、攻めさせてるんでしょ?
そんな危険な事、俺ならやらないよ?
それで官兵衛(小寺孝隆)!なんでアンタが参加してんだよ!
他家の話でしょうが!
弥八郎(本多正信)も簡単に官兵衛を頼らないの!
という事で詳しい話を聞く為にも弥八郎と官兵衛を召喚!
「隠岐守が三好家と内通しておるとの事だが、確かな話か?」
「寒川家と安富家が塩ノ木で争う中、此方の後詰めが鶴羽湊へ上陸して間も無く安富家ではなく三好家の兵がやって来たと。引田湊ではなく鶴羽湊を使うのを知る者は限られております故」
本当に四宮隠岐守が三好家と内通しているかと弥八郎に確認するが、情報源が限られているから隠岐守がいちばん怪しいと…
でもそれなら、敵が来るまで確信なんてなかったって事だよね?
自信があったから決行したんだろうけど、そんな妄想で作戦練るの止めてもらえませんかね?
「隠岐守が三好家に通じておるのは分かった。で?問題なのはそれが四宮家の総意であるのか、隠岐守の独断かだが?」
まあ、状況的に情報を漏洩させたのは四宮隠岐守で間違いなさそうだが、それが隠岐守の単独での事なのか、四宮家の当主も了承していの事なのかで話が変わってくる。
「残念ながら引田の動きを見るに、隠岐守の独断にございましょう。右近(四宮光武)殿が手引きしておれば引田湊を奪う口実となったのですが、残念な事に湊に混乱は見られませぬ故、隠岐守一人が三好家と通じたので御座いましょうな」
官兵衛が隠岐守一人の犯行だと断定する。
「ならば如何致す?」
「それは兵部少輔殿の胸三寸に御座いましょう。隠岐守のみの責とするも、四宮家の責とし引田湊を奪うも、兵部少輔殿の腹一つ」
俺の考え次第って事でいいのね?
「では、隠岐守の沙汰は右近殿に任せる。討とうが従えようが、儂は関知せぬ」
「宜しいので?」
弥八郎が確認を取ってくるが、問題なしと頷いて返す。
「年が明ければ一条家の土佐への下向も控えておる。なるべく穏便に事が進むのであれば、隠岐守等という小者の生き死に程度、右近の好きにさせれば良い」
土佐への下向までにあまり時間がないので、四宮家を滅ぼし恨みを買って、その残党や盗賊共に土佐への下向を邪魔されては敵わない。
ならば恩を売って大人しくさせ、治安を維持をさせた方が良い。
時間があれば滅ぼしても良かったんだけどね。
「では、その様に」
しかし、そんな曖昧な…情報とも言えぬ妄想で、よくも後詰めを送り出したものだなぁ。
何でそんな作戦を実行する気になったのか2人に聞いてみる。
俺には怖くて出来ないわ。
「此度は弥八郎殿と頭を突き合わせて、色々と考えましたぞ」
「左様。何時も殿が相手の心情や状況を読みきり、策を成されるのを見て参りましたが、いざ己が策を練るとなると不安が晴れませぬな」
えっ?
俺、そんな曖昧な策を弄した事あったっけ?
事前に出来るだけ情報を集めてから、策を立ててるつもりなんだけど…
後は史実を元に…って、史実を元に策を立てるのって、コイツ等から見ると俺が自信満々に妄想で思い付いた事を実行している様に見えるのか?
違うからね!
妄想じゃないからね!
俺、ちゃんと根拠があってやってるからね!
説明は出来ないけど…
済みませんが二週間程お休みします。
病気とかではないですし元気なんですが、ちょっくら切腹してきます。




