表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
529/554

516 どうせ俺が収めなきゃいけないんだろ?

 何故だか分からないが、ウチの水軍が小豆島を攻めて占拠したらしい。

 馬鹿野郎!何やってくれとんじゃい!

 確かに小豆島に兵を出して阿波三好家の水軍を引き付けろとは言った。

 何なら、そのまま占領してしまっても良いとも言った。

 だがそれは阿波三好家が摂津国へ攻め込んでいる間の話で、もう戦いは終わっているのだから普通は引き返すだろ?

 そのまま続行しても良いという話ではない…よな?


「上野介(大平家次)、子細は聞いておるか?」


「いえ、先ずは一報をと」


 まあ、上野介も急いで知らせに来てくれたんだろうし仕方ないか。

 京では右京進(平野長治)辺りが報告を纏めてくれているんだろう。

 しかし、これは直ぐにでも西国へ戻った方が良いか?


「兵部少輔様、これは一度西国へ御戻りになられるのが宜しかろうかと」


 宮部継潤も帰れコールをしているし、やっぱり帰るしかないな。

 殿からは、正月中は京に居ろと言われているが、こうなっては仕方ないよな!


「うむ、仕方あるまいな。於乱、善祥坊、後の事は任せる。敦賀の明智殿や朝倉九郎左衛門(景紀)より助力を願われようが、ある程度であれば叶えてやれ。匙加減は任せる」


 明智光秀には協力を約束してしまったし、朝倉景紀も俺の助力を頼りにしているだろう。

 景紀に関しては俺が唆した訳では決してないが、折角朝倉家を裏切ってくれたのだから有効活用したい。


「承知致しました。全ては於乱様と相談のうえ、良き按排(あんばい)となる様に努めまする」


 継潤のあくまでも於乱ちゃんを立てる姿勢、嫌いではないよ。

 でも、今はあんたの養子ですけどね。



 京屋敷に戻り、残って情報収集をしているであろう右京進の話を聞く。


「どうやら小豆島を治める寒川家が篠原家や安富家と険悪になり、我が水軍を引き入れた様に御座います」


 うん?寒川元隣(もとちか)が安富盛定や篠原長房に城を明け渡す様に言われたのは、もう少し後の話だったと思うんだけど…

 追い込まれて少し時期が早まったかな?


「今の状況は?」


「今は小競り合い程度に収まっておりますが、何時大戦になってもおかしくありませぬ。周りも安富家と寒川家を中心に国を二分する様相を呈しております」


 安富家の後ろには三好家、寒川家のバックには俺達って事か。

 正直讃岐国のゴタゴタなんかに巻き込まれたくないが、来年行われる一条家の土佐国への下向に思いっきり影響あるよなぁ。


「はぁ、一条家の下向を終えるまでは静かにしていて欲しかったのだがな。誰か代わってはくれまいか」


 どうせ俺が収めなきゃいけないんだろ?

 下向の責任者である佐渡守(林秀貞)殿が何か上手い事やってくれないだろうか?

 まあ、やらないよね。


「今から他の者に代わるのは難しいかと」


 知ってるよ。

 近くに俺という戦力があるのに、使わない訳がないよなぁ。

 失敗したなら兎も角。


「はぁ…。殿より帰国の許しを貰わねばならぬよな」


 また、俺のせいにされたりするんだろうなぁ。

 俺、何も悪い事はしてないのに…

 勝手に帰ったらマズイよな?


「流石に殿も寒川家よりの求めを断る事はなさいますまい」


 そ、そうだよな。

 寒川家からの救援要請があったから戦になっただけで、俺は関係ないよな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 讃岐を不安定化させれば、阿波単独の動員力で兵部様と渡り合えるはずもなく 岫雲斎殿なら読めましょうが、阿波守に理解できますかねぇ [気になる点] 十兵衛殿や九郎左衛門殿に協力しろとは言ったけ…
[一言] これはあれだ、可隆版「顧客が本当に必要だったもの」 1.明智光秀が要求した協力 2.森可隆の指示した協力 3.宮部継潤が考えた協力 4.御乱達が行った協力 5.連鎖した結果 6.信長に報告…
[気になる点] >継潤のあくまでも於乱ちゃんを立てる姿勢、嫌いではないよ。 於勝ちゃんじゃあるまいし、初陣を求める於乱ちゃんを押し立て共に北国に凸したりは致しますまい(フラグ >追い込まれて少し時期…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ