28 新しい家族
森家に新しい子が生まれた。
森九一郎、後の森可政で俺の叔父にあたる。
親父の子ではなくて、爺ちゃんの子だ。
史実通りなのだが、少し複雑な気分だ。
後々、於勝と喧嘩別れになり、九一郎が出奔する事になってしまうのだが、まあ大丈夫、なんとかなるだろう。
本能寺の変の後、於勝は織田信孝ではなく羽柴秀吉に味方することを決め、岐阜城に人質となっていた弟の於仙の救出に向かったが、於仙を無事に助け出したはいいが、同じく人質となっていた九一郎の娘である於鍋を置いてきた事で、二人の仲は険悪になってしまった…
それは於勝が悪い…かな…
まあ、その後に九一郎も単独で於鍋を救い出しているが…
ところで、その助け出す時、於仙に岐阜城から広げた蒲団の上に紐なしバンジーをやらせて救出したというのは本当だろうか?
ひょっとしたら九一郎も、於鍋に紐なしバンジーをやらせて救出したのだろうか。
救助方法は伝わっていないし、単独で救出に行ったらしいので流石にないと思うが…いや、九一郎も森家の人間だったな、安心は出来ないな…
いや、森家の人間だからではなく、俺より下の世代の頭が少し…
そんな話は置いておいて、戸田の領地は、俺が元服するまで、親父預りとなった。
新しく雇用した家臣の給金を稼ぐ為に戦いに出たのであって、領地が欲しかった訳ではないので構わないのだが。
親父は、主不在で廃城となっていた戸田城を修復して、爺ちゃんの弟である越後守成恒に城代を任せるみたいだ。
その際、土地の者を登用したようだ。
なんでも、三河に行かなかった戸田氏の出らしい。ホンマかいな。
一族の子を小姓として差し出してきた。
戸田三郎四郎氏繁(勝隆)。
誰もが知っている、あの有名な(?)羽柴秀吉の四天王(笑)の一人。
この世界の羽柴四天王は、どうなるのだろうか。
神子田正治は、あまり食指が動かないので残しておいてあげよう。
しかし、秀吉の家臣ばかり縁があるような気がする。
あまり引き抜いて、姉川の戦い以前に弱体化されても困るのだが…
本当に削りたいのは、光秀の方なのだが、今は遠方だし、親族多いし、幕臣や大身が多いので、引き抜くのが難しい。
森家の人間は、土岐氏と相性が悪いような気がする。
まあ、美濃出身の名のある武将が土岐氏の後裔ばかりだからかもしれない。
美濃衆からの引き抜きもしたいところだが、今戦っているのは、まだ独立する前の三河の松平家だ。でも、美濃斎藤家とも続行中なので、下手に刺激したくはない。
清須同盟締結までは、美濃への派手な調略は我慢すべきかもしれないが、戦が始まってしまう前に堀家への調略準備は再開することにする。
出家した人に連絡とるだけだから構わないよね。
いや、二正面作戦は避けるべきと考えてしまったが、とっくに美濃にも攻め込んでいるので、気にする必要は全くなかったのかもしれない。
堀権之助重信殿のいる寺を調べてもらい、脚気の治療の事で話がしたいと、連絡をとってもらう。
怪しさしか感じない話だが、普通の食事療法なので、失敗したとしても害はないから、話に乗って貰える確率は高いと思う。
さあ、会いに行こうと準備をしていたが、流石に敵地に行くのは、許してもらえなかった。
川向こうなのに、すぐ対岸なのに…
堀秀政、直政に会いたかったなぁ…無念…
戸田勝隆の生まれが分からなかったので、尾張の戸田村か美濃の戸田村で迷って、無難な尾張の方にしておきました。




