表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
268/554

259 出番なし! 

 永禄十一年四月、とうとう新しい御所が完成した。

 それは織田勢が、いよいよ伊勢の長野工藤氏と北畠氏の討伐に向かうという事を意味する。

 俺は今年に入ってからは色々と忙しく、あまり伊勢の調略に力を入れられなかったが、そこは滝川彦右衛門改め左近将監殿が確りやってくれているだろう。

 俺も真宗高田派の尭慧殿を始め幾人かに協力をお願いしてある。

 よし、怪我しない程度に頑張るぞ!



「民部少輔、京の事はお主に任せる。何か揉め事があらば傳兵衛に任せる様に。傳兵衛も確りと大樹を御守りせよ」


「「はっ!」」


 殿の言葉に俺と村井民部少輔殿が頷く。

 どうやら俺は伊勢攻めから外された様だ。

 本圀寺の変が理由かもしれないな。

 あの時、京に居た者は居残り組になっている者が多い。

 明智十兵衛は、伊勢攻めに参加するみたいだけどな。


「傳兵衛殿、此度の伊勢攻めに加われぬとは、残念にございましたなぁ」


 嬉しそうに加藤弥三郎が話しかけてくる。

 そんなに俺が伊勢攻めから外された事が嬉しいのかな?


「殿の御下命にて、致し方御座らぬ。尤も、既に年始に大功成した身なれば、此度は皆に武勲を立てる機会を御譲り致そう。それに某も、既に伊勢への仕込みを終えております故、戦は幾分かは楽になりましょう」


 ムカつくから煽っておこう。

 あまり下手に出て、ウチの家臣達が暴発しても困る。

 俺自身は、伊勢攻めに参加出来なくても全然構わないんだが、家臣達は不満だろうしな。

 どこかでガス抜きでも、させてやらないとな。


 ただまあ、多少とは言え長野工藤家に対して調略もしているので、完全に手を引くという訳にもいかない。

 織田の軍勢の通り道にある川尻城を守る前野将右衛門には、繋ぎとして親父の軍に参加させよう。

 長野工藤家や北畠家の残党の勧誘もして欲しいからな。

 悪いが他の者は待機だな。



 その後、信濃から秋山伯耆守がやって来たとの連絡があったらしく、その伯耆守を歓待する為に、殿は急いで岐阜へ戻って行かれた。

 何でも伯耆守は、奇妙様と武田の姫君の婚約成立の為に美濃へやって来たのだとか。

 これで織田家の東側は安全地帯となったので、安心して伊勢を攻められるな。

 将来的には不安しかないが…



 四月下旬、とうとう織田家が中伊勢の長野工藤氏の攻略に乗り出す。

 長野工藤家には滝川左近将監殿と共に、史実を参考にして色々と仕込みを済ませてあるので、その内に攻略は出来ると思う。

 そろそろ分裂が起こるんじゃないかな?

 念の為に、真宗高田派の尭慧に、俺からも手紙を送っておこうかな。

 真宗高田派の本当の利用価値は、一向衆と敵対してからだからな。

 今の内からちゃんと織田家に好印象を持ってもらわないと。


 そんな頃、播磨の赤松政秀から足利義昭に援軍の要請があった。

 昨年末に、龍野赤松家の赤松政秀の娘が、赤松宗家の命で小寺家に拉致されたのだが、幕府は赤松宗家と交渉して、その娘を引き取る事に成功した。

 だが、龍野赤松家と赤松宗家の戦いが収まった訳ではない。

 赤松宗家は、隣国の備前に勢力を張る浦上家に援軍を求め、共に龍野赤松家を攻め続けている。

 龍野赤松家は同盟を組んでいる別所家と共に、赤松宗家・浦上家と戦っていたのだが、とうとう幕府へ援軍を頼んできたのだ。

 そこで足利義昭が殿に播磨への派兵を命じると、殿は摂津池田家を始めとする摂津衆に播磨への出陣を命じた。


 だが、俺達京の居残り組は、留守番を継続だ。

 折角だから、この時間を利用して宝蔵院胤栄に槍術でも習いに行きたいなぁ。

 特に防御を習いたい…もう、怪我したくないし…


 よし、この機に今まで出来なかった事をやっておくか!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 伊勢攻めで、前野将右衛門に何人かつけても焼け石に水かなぁ。最近、古参脳筋ズの活躍がないのもさみしいな。 そして本圀寺の変の褒美は如何に?楽しみである。
[気になる点] この時の龍野赤松救援と生野銀山奪取が同時期で織田家の総大将が秀吉で副将坂井だったけど織田家は参加しないのか秀吉の出世が史実より遅いということで大将に任じられていないのだろうか。 複合要…
[一言] これだけ差がついても卑屈にならず(?)突っかかって行ける加藤弥三郎のハートの強さを見習いたいです
2021/03/25 01:58 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ