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討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
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 17 権六殿と御坊様

 ラストは、柴田勝家の下社城。

 後の筆頭家老である柴田勝家もこの頃は閑職で、活躍するのは美濃攻めからだ。

 出世して忙しくなる前から気にかけて、点数を稼いでおこう。

 親父とも仲が良いし、前田利家が礼を言っていたと伝える用件もある。

 いざ、窓際武将のいる城へ。


「久しいな小太郎、よく来た。結構な物を頂き忝い。三左殿にも宜しくお伝えしてくれ」


 柴田勝家が出迎えてくれる。


「柴田様もお元気そうでなによりです。熱田の又左殿から、くれぐれも宜しくとお伝えしてくれとの事でした」


「ふむ。あやつは、三郎様に必要な男だ。あの様な下らぬことで死なす訳にはいかぬからな。三左殿も同じ思いであったのだろう」


うむうむと、頷いている。


「ところで、小太郎は人を集めておるそうだな。折角来たのだ、当家からも一人出そうではないか」


「は?柴田様?」


 突然、妙な事を言い出したな。何を考えているんだろう。


「柴田様などと他人行儀な。三左殿と儂は親しい仲。その子であるお主も気軽に権六と呼べばよい」


 流石面倒見の良い柴田勝家、プライベートはフランクだな。


「なに、遠慮する事はない。足軽大将あたりを一人くらいどうということはないぞ。代わりに酒を少し融通してくれればよい」


 酒かよ!信長が管理している物には手が出せないから、森家で造っている分を狙っているのか。

 まあ、折角だし貰えるものは貰っておこうか。


「でしたら、蓮台に近い生まれの者を一人」


 出来れば、御近所さんの方がいいよね。土地勘とか費用とか。

 この頃の柴田勝家の下っ端なんか知らんから、誰でもいいけど。


「ふむ、確か葉栗の出の者がおったか。よし、その者にしようか」


 では、話がまとまった所で、槍のお相手願います。


「まあ急くな。折角来たのだ、御坊様に御挨拶申し上げて行け」


 お坊様?ああ!坊丸、津田信澄の事か。

 そういえば、権六様に預けられていたのだったか。

 謀叛人の子でありながら、連枝衆として優遇されたが、謀叛の疑いを懸けられ殺された複雑な人。

 まあ、信孝が邪魔者を消しにかかっただけだろう。

 性格は残酷だったともいわれるが、宗教が絡んでいるので評価が当てにならないな。


 元服したのは志賀の陣より後だから、あまり関係ないかもしれないが、後の実力者には違いない。

 本能寺の時に殺されなければワンチャン…は無理か。



 普通は俺などと面会などさせるような事はないだろうに、権六様も旧主の遺児なので、なんとか味方を増やしてあげたいのだろうな。

 まあ、実際には信長に優遇されるような?だが、本能寺の変の時に、ついでに殺されるくらい味方がいなかったのか?

 三つ年下だから今は五歳か。



「森三左衛門が嫡男、小太郎に御座います。御坊様におかれましては、ご機嫌麗しく」


 目の前の賢しそうな子供に頭を下げる。

 流石織田家の血筋、顔立ちが整っているな。


「よう来られた、小太郎殿。 今宵はゆるりとして、三左衛門殿の話など聞かせて頂きたい」


「はっ」


 仲良くなって全く損はないので、頑張って胡麻を擂るか。



織田信勝亡き後の末森城は、勝家が入ったのか廃城になったのか、どっちでしょう?

取りあえず坊丸は、勝家の城へ入れときました。

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