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討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
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162 水沢城攻略

 ついでに三重郡の西側に位置する水沢城を攻める。

 城主は、加治孫九郎。

 その水沢城のすぐ近くに、山崎城(城の山城)という城が建っている。

 しかし、城が二つあるのは邪魔だなぁ。


 佐久間久六殿が、加治孫九郎の篭る水沢城に張り付かせ封じ込めている間に、もう一方の山崎城を俺と久六殿の嫡男である理助と共に攻める。


 とっとと終わらせたいので、降伏を呼び掛けつつ、どんどん城に火を掛けていく。


「傳兵衛殿、いきなり城を燃やしてしまって構わぬのですか?」


 ちゃんとした城攻めを期待していたのか、理助は火攻めに疑問を呈する。


「これ程、近い場所に二つも城は要らぬからな。この城が燃える炎を見て水沢城の城主が恐れ戦き、早くに降伏してくれる事も期待している」


「成る程」


「それにこの火攻めが将来、戦にて役立つ事もあるやもしれぬしな。であるから闇雲に火を付けるのではなく、確りと燃え方を考えて火を付ける様に。こういったところで経験を積んでおかねばな」


 そう将来、役に立つ事もあるかもしれない…何処かの山や寺を燃やしたり…

 火の付け方や火の回る方向やスピードなどを練習がてら、城に火を掛けていく。

 別段、皆殺しにしたい訳ではなく、城を燃やしたいだけなので、逃走ルートは開けてあるので、どんどん逃げて下さい。

 城を燃やす理由には、水沢城の加治孫九郎にプレッシャーを与える為でもある。

 すぐ近くの城が炎に巻かれているのを見て、次は自分の番かとビビって降伏してくれればいいなぁ。



 逃げ出した兵に襲われぬ様に気を付けながら、炎に巻かれる城を眺めていると、山内次郎右衛門が走り寄る。


「殿!久六郎様よりの知らせで、水沢城城主加治孫九郎より使いが参り降伏を申し出たとの事に御座います」


 水沢城の久六殿の使いから、知らせを受け取ったらしい。

 ふう、一先ずこれで、ミッションコンプリート。

 あとは、小林八郎左衛門が、どれだけ臣従させられるかだな。

 あの辺りは元々、千種家の勢力下にあったので、峯家が退いた今、再び勢力の拡大を狙うだろう。

 その前に、織田家で国人衆を纏め上げておかないとな。


 孫九郎の降伏を認め、水沢城に兵を入れる。

 ここを拠点にして、更に西の鈴鹿郡に入った所にある、三つ仲良く並んでいる敵の城、大久保城、山本城、小岐須城を挑発する。

 城主はそれぞれ、大久保伊豆守、山本刑部少輔、小岐須常陸守。

 この3人が動けないだけでも、権六殿への充分な援護になるだろう。


 因みに小岐須常陸守盛光は、関家当主である関盛信の弟だ。

 関家のピンチに援軍に向かわず、このまま小岐須城で防備を固めているのは、後々関家での発言力の低下を招く恐れがあるから、城を捨てて援軍に赴く可能性もあるので、家臣には、しっかりと監視させる。



 さて、小林八郎左衛門に任せた調略はどうなったかというと、曽井城の志村右衛門、菰野城の若尾図書、方寺城の若菜隼人が臣従してきた。

 松木家の荘園を荒らしたくはないので、この辺りの国人衆と戦いにならずに済んで良かった。

 八郎左衛門も、良い仕事をしたのではないかな?



 よし、これで俺の仕事は一先ず終了という事でいいのかな?


「傳兵衛殿、次の三城の内、山本城の刑部めは、当家の分家筋に当たります。某が説得したいと思いますが」


 浜田近江守が、調略に名乗りをあげる。


「ふむ。だが、鈴鹿郡にまで手を出すと権六殿が良い顔をすまい」


 別に三重郡に拘る必要などないのかもしれないが、権六殿の活躍の場を奪いたくはないし、やり過ぎだと殿に釘を刺されるかもしれない。

 言われてもいない事をするのもなぁ。

 俺が言われたのは三重郡西部の関氏の勢力を千種家よりも先に駆逐する事だからな。


「いえ、小岐須の地は鈴鹿郡に御座るが、大久保、山本は、三重郡に御座る」


 あれ?そうだっけ?鈴鹿郡だったような…

 まだ三重郡で、もっと後の時代に鈴鹿郡になるのかな?


 三重郡なんだったら、調略くらいやってもいいかもな。

 ちょっと久六殿に聞いてみるか。


「久六殿、神戸家とは如何なりましたでしょう?」


 今の攻略状況を久六殿に聞いてみるか。

山崎城は、城の山城(坂田丹後守城)の事です。

当時の名前が分からなかったので、当時の地名にしておきました。


大久保村、山本村が、三重郡から鈴鹿郡になった時期はわかりませんが、付近の村が鈴鹿郡に移っているのが、もう少し後なので、まだ三重郡にしておきました。

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