表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
136/554

131 どっちの副将?

 伊勢桑名郡にある矢田城に皆が集結する。

 矢田城は昨年、滝川彦右衛門殿が降伏させた桑名にある城の一つだ。

 今回の大将である滝川彦右衛門殿、岩室長門守殿。

 既に降伏した桑名郡の領主、西松要人(かなめ)、小串次郎右衛門、佐藤杢之助(もくのすけ)、高井民部少輔等。

 尾張、美濃の近隣領主で今回召集された、高木彦左衛門、服部小平太、毛利新助、湯浅甚助等。

 総勢1万の兵での作戦となる。

 史実では、たった三年で終わった伊勢攻めだが、ここはじっくりいきたい。

 今、攻めるのは不味い勢力もいるしな。


 まずは、桑名城の伊藤氏だが、一族には長島城の城主もいる。

 いずれ一向衆に長島城を追い出されてしまうのだが、下手に手を出して、一向衆に助けを求められると厄介だ。

 出来れば、そのまま一向衆とは敵対していて欲しい。


 あと、員弁郡の梅戸城の梅戸実秀の父である高実は、近江の六角承禎の叔父に当たる。

 他にも周りには六角氏の被官がいる。

 史実と違い、まだ敵対していないので、今はまだ攻めるとマズイ。

 伊勢を攻めてる間に、敵対する事になるかもしれないが。


 あと、関氏と神戸氏は六角家臣の蒲生定秀の娘を妻に迎えているし、赤堀氏は神戸氏と同盟関係だ。


 まあ、六角氏は途中で裏切るとは思うのだけど、その後の方針を殿がどうするのかまでは分からない。

 途中で伊勢攻めを一時保留して近江を攻めるのか、そのまま南下して神戸氏の攻略を目指すのか、北上して員弁郡の六角勢力の方を攻めるのか。

 ただ、六角義治は裏切る時に、美濃の一色龍興を唆して織田の妨害をしていたのが、既に美濃一色家は滅んでしまっているので、仕方なく上洛に協力するという事もなくはない。

 別の何かをけしかけるという事もあり得るが…まあ、夏になれば分かるだろう。



 彦右衛門殿と長門守殿と俺の三人で集まり、一緒に今回の戦について意見を出し合う。

 いや~まだまだ若造な俺は、浮いてると思うんだよなぁ。

 一応、親父の名代として来ているので、席次というものがあるのなら、3番目となるのだろうか。



「では、我等は海沿いを、彦右衛門殿は員弁、菰野を避けて西側を攻めるのかという事で」


 長門守殿の言葉に彦右衛門殿は頷く。


「うむ、某は尾張衆を、長門殿は美濃衆を率いるとしよう」


 俺が口を挟まずとも話が進んでいく。

 彦右衛門殿がお馴染みの尾張衆を率いて西側を、長門守殿が美濃衆を率いて東側の海沿いを進むようだ。

 俺は完全に要らない子と化している。


「では後は、それぞれの軍にて、話し合うとしよう。」


 彦右衛門殿の言葉で、二人の打ち合わせが終わり、それぞれの軍に別れて作戦を詰めるようだ。


「では傳兵衛殿、こちらへ」


 彦右衛門殿が立ち上がり、俺を呼んでいるので、どうやら滝川軍に組み込まれるようだな。

 だが、立ち上がる前に、長門守殿から待ったがかかる。


「待たれよ、彦右衛門殿。傳兵衛殿はこちらであろう?」


 えっ?


「何をおかしな事を。傳兵衛殿は、尾張海東郡戸田の領主。本貫も尾張葉栗郡の蓮台。某の方であろう」


 ふむふむ。


「何を言われるか。傳兵衛殿は、美濃可児郡を治めておられる三左衛門殿の名代として来られておる。故に美濃衆を束ねる某の所で御座ろう」


 ふむふむ。

 正直ドッチデモイイヨ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 傳兵衛モテモテw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ