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討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
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116 郡上郡での報酬

 稲葉山城は、織田家の手に落ちた。

 さようなら小牧山城、史実の4年間より更に短い2年間だけの本拠でした。

 史実通りに破却するのなら勿体無いなぁ。

 誰か親族にあげればいいのに。

 まあ、美濃が手に入ってしまった後では、中途半端な位置にある城は邪魔なのかもしれないが。


 稲葉山城が手に入ったので、親父もやってくる。

 遠藤大隅守殿から領地を割譲して貰わなければならないが、それは親父にお任せしよう。

 どこを貰えるか知らんが、反乱を起こした畑佐氏の治める畑佐村近辺か佐藤氏が治める気良村かな。


 畑佐は飛騨への通じる小川峠への通り道だから難しいかな。

 というより、どこも通り道に村があるから同じか。

 今回飛騨から攻め込んできた坂本峠へ通じる辺りなら、まだ小川峠があるし石高も少ないから、くれるかもしれない。

 交通の要所には変わりないから無理かな…


 やっと思い出したのだが、この辺りは銀が採れたはずだし、しかもまだ見つかっていないはず。

 貰えるものなら貰いたいのだが…

 まあ、江戸時代には銅がメインになっていたみたいなので、埋蔵量か効率的に、それほど良くないのかもしれないな。

 今の時代、銅に使い途が殆どないから…


 坂本村の北にある溝折地区なんか鉄も採れるらしいし、金山の逸話もある。

 天正大地震で鉱山潰れて老婆一人しか生き残らなかったって話だけど…


 気良村も馬の産地だからくれないかもな。

 平安から鎌倉時代にかけての武将である梶原景季の名馬・磨墨が産まれた場所らしい。

 あと、山内一豊の愛馬・鏡栗毛も気良産らしいな。


 第一候補、坂本村以北。坂本(銀)鉱山、水沢上(金)鉱山目的。

 第二候補、畑佐村。畑佐(銀)鉱山目的。

 第三候補、口長尾村。長尾(銀)鉱山目的。

 第四候補、東気良村。馬目的。

 その他にも良い場所があるかもしれないが、知識が足りないな。

 この候補も、適当に思っているだけだから。


 鉱山を貰えたら、殿に売っ払ってしまった方がいいかもしれない。

 管理するのも面倒臭いし、金持ちになって殿や他から妬まれたくないし。

 俺、ちゃんと灰吹法とか覚えてたかなぁ…


 まあそれは親父に任せて、俺は別の事をしよう。

 今回の報酬で、瀬戸から焼き物の職人を久々利に呼べないかと親父に頼み込んでみる。

 久々利は良い土があるので、産業にしたい…というより、茶器が欲しい。

 織田家で茶器が褒美として使われるようになる前に、なんとか良い茶器を手にいれておきたい。

 唐物の方が価値は高いだろうが、千利休がなんとかしてくれるはず!

 目標は千利休に気に入られる茶器を作って、高額茶器で儲ける事。

 あと、土岐郡で耐火粘土が取れたと思うので、耐火レンガとか造れないかなぁ。



「傳兵衛殿!忝ない!お陰で無事、母や妹と再会でき申した。何と御礼を申し上げればよいのやら…」


 遠藤六左衛門殿は家臣の粥川甚右衛門と餌取六右衛門、それに母親附きの埴生太郎左衛門を連れ、殿に臣従の挨拶へ来た序でに、御礼を言いにウチの屋敷へ寄ってくれた。

 六左衛門殿は、頻りに感謝してくれる。

 うん、良かった。

 これで舌打ちでもされた日にゃ、堪りませんわ。


「なんの、運良く長井隼人殿を討ち取る事が出来ただけに御座る。かえって御母堂には複雑な思いを抱かせる事になり、申し訳御座らぬ」


 六左衛門の母は、人質とはいえ長井隼人に嫁いだのだから、戸田三郎四郎と堀尾茂助は夫の仇という事になるのかな。

 俺は関係ないし…



 挨拶という名の社交辞令を終え、親父を交えて、メインの報酬となる割譲される土地の話に移る。

 ここは親父等に任せてのんびりしておこう。



 色々話し合った結果、畑佐村を頂いた。

 180石程だったかな?

 謀反を犯した武将の領地だし、ここを通らなくても飛騨には行けるし、周りは自領地で囲んでいるし、復興しなきゃいけないし。

 他にも気良産の馬とか銭も貰ったので良しとしよう。


 早速、山師を送り込み鉱山探すぞ!

 確か、吉田川の東側だったかな?

 大体の場所は指示できるので、今月中に見つからないかなぁ。


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