102 一向宗の事は一向宗に
今回反乱を起こしたのは、畑佐六右衛門信国。
あと気良の佐藤さん…
でも、おかしい…畑佐が反乱を起こすのは、志賀の陣の後だったはず…
本来なら六郎左衛門殿の元で纏まっていたはずの郡上郡だが、早くに長井隼人を敗走させたせいで、まだ取り戻せていない。
その混乱を見越しての挙兵なのだろうか?
一色家が織田家によって滅ぼされる時に、遠藤家で謀反があるのだが、その人物たちはマークしていたのだが、畑佐は予想外だったな。
「傳兵衛様!堀権之助殿が参られました」
青木次郎左衛門が知らせに来る。
さて、どうなっているかな?
「権之助殿、御手数を御掛けして申し訳ない。して、如何でしたか?」
堀権之助殿には、郡上郡に先に入ってもらって、最勝寺の動きを調べてもらっていた。
「最勝寺を調べよとの事でしたが、確かに兵を集めておる者がおりました」
はぁ~、此方も反乱を起こそうとしてくるのね。
「そうか、で?どいつだ?」
「遠藤家家臣、鷲見弥平治と別府弾正忠に御座います」
史実でも鷲見弥平治と別府四郎は、一色家が織田家に攻め滅ぼされた時に、遠藤家に反乱を起こそうと最勝寺に兵を集めていたのだが、情報が漏れて失敗し飛騨へと逃げている。
最勝寺は真宗の寺なので、真宗の僧である堀権之助殿に、予め探ってもらっていたのだ。
時期がずれているとはいえ、此方の反乱はあるかもしれないと警戒していたのだが、畑佐の方は予想外だったな。
まあ、二人を放っておいて、畑佐攻めの時に後ろでチョロチョロ動かれると面倒だから、さっさと潰しておくとしましょうか。
「権之助殿、郡上郡の真宗の方々…安養寺の乗了殿、願蓮寺の正専殿らに協力を取り付けてもらいたい。最勝寺の専賢殿は難しいか?」
「そうですな…なんとか話をしてみましょう。森家の後詰めがあると知れば、寝返るやもしれません」
「すまぬが、宜しく頼む」
さて、まずは六郎左衛門殿に報告しておかないと。
「という事で、最勝寺は某が対処いたしましょう。六郎左衛門殿は、畑佐への対処に専念して頂きたい。こちらは、土地勘もなく出来ることが少ない故、最勝寺が終わり次第合流いたしましょう」
「そうですな。宜しくお願いしたい」
六郎左衛門殿に話を持って行くと、即決で俺の兵が最勝寺のある市島村を強襲し、兵を解散させる事が決まる。
六郎左衛門殿は遠藤清左衛門を、大隅守殿は遠藤左近右衛門を大将とする軍勢を派遣し、久須見という場所に陣を張り姉小路軍を迎え撃つようだ。
それとは別に和良の遠藤清兵衛が畑佐の背後に回り込もうとしている。
で、土地勘のない俺たちは、最勝寺に兵を集めている鷲見弥平治、別府弾正忠の討伐を買って出る。
この後にある畑佐での戦いは、激戦だった様なので、なるべく遅れて参戦して被害を抑えよう。
気良の佐藤さん…調べても佐藤氏としか書いてなかった…無念…




