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第24話 鉄道試作


 岩ゴーレムを一撃で倒すことのできる攻撃力を手に入れた俺は、その経験値によってレベル上げを図った。


 このフロアには多くの岩ゴーレムがおり、遭遇には事欠かない。


 俺はノーダメージで一匹狩り、二匹狩り、三匹狩っていった。


「しっしっし、経験値ウメぇな」


 というのも最初のうちはそれこそ一匹倒すごとに数レベル上がったのである。


 そもそも俺のレベル42では、普通岩ゴーレムを倒せるレベルじゃないからな。


 それを攻撃力のドーピングで無理矢理倒しているのだから、そりゃレベルも上がる。


 その日は6体の岩ゴーレム倒し、51レベルにまで達した。


「えっ、あれ?」


 しかし、その時、鉄の剣が折れてしまう。


 あまりに激しい攻撃で6発しか剣が耐えられなかったのである。


 壊れた剣は黄金のつるはしで回収し、再び作成することもできるが……


「まあ、ここらでいったん引き返すか」


 こうして今日のところは洞窟を出て第三の拠点へ戻ることにした。


 カー、カー……


 外に出ると、空はすっかり夕暮れ時の赤。


「暗い洞窟の中であんまり夢中になってると時間がたつのに気づかないな。気をつけねえと」


 そうつぶやきながら第三の拠点の仮家へと帰る。


 で、疲れた身体を引きずりながら家にたどり着くと、なにやら扉の前に4人ほどの女の子たちが待ち構えているのが目に入った。


 キャッキャッキャ♪


 甲高く、ほがらかな喋り声。


 彼女らはたしか、率いてきた民の中で炊事などを担当している女の子たちである。


「あ! 領主様」


「お疲れ様です領主様」


「今日もかっこいいですね!」


 ちなみに、おおよそ10代から20代の若い娘たちだった。


「ああ、みんなもお疲れ。それより俺ん家の前で何やってんの?」


「はい! あの、これ……」


「おすそわけです!」


「私たちが作ったんです」


 そう言って、女の子の一人がパンとシチューの入ったお鍋を俺に渡してくれた。


「お、マジで? いいの?」


 どうやら第二の拠点で採れた小麦粉でパンを焼いたらしく、上手くできたからと言うのでそれを俺にくれたのである。


「サンキューな」


「はい。どうぞ召し上がってください!」


「それから……」


 すると、一人がほのかに頬を赤らめてこう言った。


「領主様、これからご入浴ですよね?」


「あ? まあ、そうだけど」


「だ、だったら、お背中お流しします!」


 一人がそう言うと、「アタシも」「アタシだって」と進み出てくる。


「は? なに言ってんの?」


「お風呂ですよ」


「アタシたちと一緒に入りましょ」


 そういって四人の女の子が詰めよってくる。


「バカ言うなよ。そんなことしたら……みんなのお父さんにぶっっ殺されるだろ」


「そのお父さんに言われたんです。領主様と一緒にお風呂入って来いって」


「そうそう」


「なんなら泊まって来てもいいって!」


 なるほど。


 娘のいる領民からすると、あわよくば領主のところへ嫁いでもらいたいと思うのも人情か。


「……悪いけど遠慮しとくよ」


「えー!」


「なんでですかー(怒)」


「アタシたち魅力ありませんか?」


 やれやれ。


 俺はため息をついて答えた。


「そんなことないよ。みんなすごく可愛いって」


 俺は一人ずつ頭をなでてやりながら続ける。


「でも美人をそんなに軽々しく扱えないだろ? 緊張しちゃうしさ」


「「「りょ、領主様……♡」」」


「コイツだけはいただいておくな」


 俺はそう言って鍋とパンを軽く掲げると、一人で家に入っていった。


「おお、けっこうウマいな!」


 女の子たちからもらったパンとシチューはなかなかウマかった。


 腹減ってたしこれだけはマジありがたい。


「ごちそうさま」


 こうして食べ終わって一服すると、ひとり風呂に入った。


 そう、風呂だけは忘れちゃいけない。


 魔物からダメージを受けたときはまず身体を清めることが大事ってセーラが言ってたからな。


 ちゃぷん……


 そんなことを考えていると、なんだか一人で風呂に入っているのが寂しくなってくる。


「セーラのヤツ、また一緒に風呂入ってくれるかなあ」


 ガードの固い女だから無理か。


「いや、でもモンスターにやられてボロボロになったふりをすれば一緒に入ってくれるかもしれないぞ」


 そんな策略をめぐらせていると第一の拠点へ帰りたくなってくるが、せっかく岩ゴーレムを倒せるようになったところなのでまだ帰るわけにはいかない。


「鉄道ができれば通勤感覚で往復できるからな。それまでのしんぼうだ」


 そう言って風呂から上がると、夜の時間帯は『鉄道』の機関部の製作にとりかかることにした。


 鉄もずいぶん出来てきたし、そろそろ始めてもいい頃だからな。


 とは言え、鉄道の機関部を作るのはたとえ工作BOXがあっても簡単ではなかった。


 たしかに工作BOXはどのような部材ブロックでも思い浮かべればその形に作り出すことができるけれども、『思い浮かべる』ことができなければ当然作ることはできない。


 複雑なものは細部に渡るまで思い浮かべなければならないので、今まで作ったことのない複雑なモノを作るのは骨が折れるのである。


「こんなもんかなぁ」


 俺はいきなり頭に思い浮かべるのではなく、羊皮紙にペンで軽く設計図を描きながら頭を悩ませた。


 まずは石炭で駆動するオーソドックスなシステムにしよう。


 燃料を焚き、蒸気によってタービンを回す形式だ。


「ええと、この動力を車輪の方に回るようにして……」


 こんなふうに設計図ができると、ひとまず1/10サイズの試作機を作ってみる。


 その車輪にあわせて庭先にミニレールを敷き、石炭を投下した。


「よし、いけぇ!」


 ゴゴゴ、ゴトゴト……ゴト…………ガチャン!! プシュー


 うっ、失敗だ。


 動力がうまく車輪へ伝わっていないようで横転してしまった。


「うーん、もう少しここをこうするべきか……」


 などと言いながら、俺は設計図を描いては試作機を作り、作っては設計図を修正しと繰り返していった。


 チュンチュン……


 で、あんまり夢中になってやっていたのがマズかったのか、気づけば外は朝になっていたのである。


「やべ、寝とかないと……」


 寝ずにダンジョン探索はさすがにマズい。


 とりあえずそれから3時間ほど寝て、俺はまた洞窟の探索へ出かけるのだった。




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