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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都決戦編

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Ep-651 VS.バクナワ

「水よ!」


まず最初に、水神が無数の水刃を放ち、バクナワを切りつける。

しかし、バクナワの体表面の結界に弾かれてしまう。


「なんということでしょう.....あの魔物は、聖力を弾きます!」

「神聖力は?」

「....試してみましょう、契約者!」


水神は神聖力を依り代に召喚しているわけではないので(直接ついてきた)、私の許可があれば好きに私の神聖力を使える。


「水は深きに――――」

「より速く、鋭く!」

「〈暗流一閃〉!」


私と水神が片方ずつ詠唱を行い、短時間で詠唱を済ませる。

高速で循環する刃がバクナワを斬りつけ、その鱗を貫通して斬り飛ばす。


「グルオオオッ!!」

「やった!」


バクナワは怒ったのか、まっすぐこっちに突っ込んでくる。


大規模戦闘用魔術(レイドマジックスペル)! 〈氷国(ニヴルヘイム)吹雪(・ブリザード)〉!」


直後、氷の風が吹き、海面が一瞬で凍る。

私は即座に魔皇剣を出して、属性を炎に転換。


「〈憤激収束(レイジング)位相砲撃(フェイザーカノン)〉!」


バクナワを縛っていた氷が一瞬で蒸発する。

極限まで束ねられ、鋭さを増したこの砲撃こそプロメテウスが持つ数少ない遠距離手段の一つ。

バクナワの身体に大穴が開き、そこに海水が入り込んだことでバクナワは咆哮を上げた。

もはや私たちに構っていられなくなったのか、上へと逃げようとする。


「逃がさない! 水神、お願い!」

「ええ!」


水神の力により、水が渦巻きバクナワを巻き込む。


「〈雷撃ほ――――いや、〈旋水(ワールプール)飛槍(・ランス)〉」


海中で雷撃砲は使えない。

仕方ないので水属性に切り替え、槍をいくつか飛ばす。

槍は渦潮を纏って渦巻に突っ込み、バクナワの身体に穴を穿っていく。


「グルオオオオオア!!」

「っ!?」


バクナワは水流を脱し、天井をぶち抜いて上昇していく。

私も背のひれを広げ、その後を追う。


「.......っ!」


水神の作った水流に乗り、上昇を続けるバクナワに追随する。

今は仕掛けられない。

今攻撃すると私が止まれないからね....


「契約者、出ます!」

「うん!」


私たちは岩盤を抜け、海中へと躍り出る。


「波浪盾オハンっ!」


バクナワの口付近に何かを感じて、私は盾を構えた。

直後、バクナワがジェット水流を放ってきた。

恐らく地上では、容易に岩を破壊できる威力だ。


「オハン、押し流せ!」


私はオハンの能力で大瀑布を生み出して、水流に真っ向からぶつける。

しばらくの拮抗ののち、二つの水流は相殺して消滅する。


「っ!」

「クルルルルル...」


私はオハンを構えたまま、しばらくバクナワと睨み合う。

しかし、最終的にバクナワは私に背を向けると、一目散に逃げ出した。


「逃がさない!」


殺す...はしなくても、せめてこの海域から追い出す。

そのために私は、バクナワに全速力で追随するのであった。




バクナワは海域を周回するように泳いでいる。

それを突き止めたのは、数時間にわたる追撃戦の後だった。

つまりは...


「喰らえ! フェイタルスタブ!」

「グルルルルォ!?」


軌道が読める以上は、肉薄するチャンスは無数に存在する。

私はバクナワの腹に掴まって、近距離から一気に短剣で刺突を放つ。

水中だと抵抗があるが、近距離であれば問題ない。

といっても...


「うわっ!?」


私は振り落とされて、その場に取り残される。

すぐに後を追うが、バクナワの速度と私の速度は互角なためになかなか追いつけない。


「焼け石に水、かぁ...」

「契約者、バクナワは確実に弱っている」

「そうだけど...」


全身に大穴が空いたバクナワは、私の追撃を受けてボロボロだ。

あと少しで倒せる。


「......アレを、やろうか...水神、私を水流で加速させて!」

「ええ!」


水神が水流を操り、私は水の流れに乗って加速する。

バクナワは迫ってくる私の気配を感じたのか、海水に傷が侵されているというのにより速度を増していく。


「大魔王ルシファーの名において、五の地を制する魔の承認を求める」


魔皇剣を中心に、黒い魔法陣が浮かぶ。

そしてその周囲に、楔のような形の魔法陣が五つ浮かぶ。


「〈ダンタリアン:承認〉」


楔の一つが、魔法陣に差し込まれ、雷の魔力が黒い魔法陣の一部を紫電に染めた。


「〈アムドゥスキア:承認〉」


さらにもう一つが黒色の一部を緑に染める。


「〈ゼパル:承認〉」


三つ目の楔が突き刺さり、魔法陣を銀色に染めた。


「〈プロメテウス:承認〉」


楔が残った部分を朱色に染めた。

最後は...


「〈ハルファス:承認〉!」


剣を押し出すと、魔法陣の中央が薄灰色に染まった。

そして、全ての楔が敵の方へと向く。


「〈五王承魔(クインテット・)刺突撃(デモンスラスト)〉!!」


放った突きは一直線に水を貫き、バクナワへと直撃する。


「ギャオオオオ!!」


直撃した瞬間、この魔術の真の効果が発動する。

一回目の突きが、二回目の突きへと派生する。

さらに、三回、四回。

そして最後の突きが、バクナワの腹部を完全に切断した。


「...やった!」

「ギギギルルァアアアオ!」


...と思ったが、バクナワは最後の力を振り絞り、私の方へと襲いかかってきた。

反応しようと思ったが、簡略化した影響でしばらく私の魔力が使えない。

聖力で...


「契約者! はぁっ!」


直後。

水で出来た巨大な鎌が、バクナワの頭を縦に切り裂く。

バクナワの頭が二つに割れ、赤い靄が海中に広がっていく。

たったそれだけで、数百年を生きた怪物は完全に死んだのであった。

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