Ep-59 ダンジョン経営(後編)
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ヘルプで確認したところ、ダンジョンのリソースとルーンのシステムが直結していることが分かった。つまり、このダンジョンを強化すれば俺がもっと強くなるというわけだ!
...だから?という感じはしないわけではないのだが、強くなるに越したことはないだろう。
「ねえ、何でここのダンジョンってこんな目立たないの?」
「...人が来ないんですよ!何百年もかけてここまで大きくしたんです!」
なるほど、人が来ないのか。
まあこんな鬱蒼とした森の中に洞窟があってましてやそれがダンジョンだとは誰も思わないだろうな。けれど、この近くには大きな街が一つあるはずだ。
ちょっと切欠があれば人を集められると思うんだけどなあ。
俺はそう思いつつ[ダンジョン]メニューから管理ウィンドウを開く。
[ダンジョン管理]
〈ダンジョンスキル〉
〈ダンジョン配置〉
〈ダンジョンモンスター〉
〈ダンジョンショップ〉
総DP:12
シンプルだなあ。
しかもダンジョンスキルってなんだ?
ヘルプを確認すると、ダンジョンが強化されればされるほどダンジョンの特性に応じたスキルが使えるらしい。ダンジョン配置とダンジョンモンスターは昔よくやったダンジョン運営物のゲームでよく見たな。ようは下に表示されてるDPを使って配置を変えたり新しい地形や罠を作ったりモンスターを召喚するんだろうな。
ダンジョンショップは罠やモンスター、各種アイテムをDPで買えるらしい。
さらにはオルクをDPに変換することもできるようだ。
そしてそのDPは12と...内訳を見れるが...
どうも1時間につき0.05DPらしい。
...効率が悪すぎる。だが、ダンジョンから生み出された生物以外がダンジョン内にいるとDPはたまるみたいだな。俺の〈ダンジョン管理者〉を入手する前の俺の5分毎のDP入手量は15000。一般人は100くらいのようだ。
「とりあえず...オルクをDPに変換っと」
「えええええッ!?人間様、そんなにお金を入れて...!?」
俺は取り出した3万オルクをメニューに注ぎ込む。
3万オルクで3000DPとなるので、これで拡張と改造をしよう。
...生物がダンジョン内にいると5分毎にDPが溜まるってことは...1階と2階は時間稼ぎにすることにした。
3階は...こいつをボスにしようか。
ダンジョンモンスターの欄からキラーバットを選択し、新たに変換した5万DPくらいをぶち込んだ。70万オルクの損失だが、これぐらいならインベントリのものを売ったりすれば簡単に稼げるな。
「ふえええええ!?な、何か力が...えっ、体が大きく...」
「よーし、キラーバットはダークロードバットに進化したー!」
5万DPも入れたので、キラーバットは討伐適正レベル50くらいから討伐適正レベル480くらいのダークロードバットに進化した。スキル無しじゃ俺でも倒すのに苦労するレベルにまで上がったな。さっきより翼も大きくなり、身長や胸も成長したな。...くそう、なんか悔しい。
「じゃあこれからダンジョン発見報告を出してくるから、頑張って守ってねー!」
「は、はいッ!わかりました!」
ということで、俺はダンジョンの外へ出る。
そして森の外へと歩き出した。
◇◆◇
俺は近くの街、ゲーム時代はトウェンと呼ばれていた街にへとたどり着いた。
そこそこ大きな街であり、ギルド支部もある。
ここの近くには別の大きなダンジョンである「ハルマ大渓谷」というダンジョンがあるので、賑わっているというわけだ。
俺はここのギルドで「薄暗い洞窟」改め「ユカリ謹製魔改造ダンジョン」の宣伝をしようと思う。なにせ、放置するだけで強くなれるなんて夢のようじゃないか。
俺はギルドに入り、カウンターへと向かう。
「はい、ご用件は?」
「ダンジョンを発見しました」
「!本当ですか...位置は?」
「この森と...丘の接地する場所です」
「わかりました、すぐに調査員を送ります、先導を頼めますか?」
「了解です」
ということで俺はダンジョンを発見したことを言い、調査員を先導することになった。
これ、未発見の小さなダンジョン襲撃して支配下に置いて、ダンジョン発見の報告したら一気に稼げそうだな。
◇◆◇
その後、調査員と共にダンジョンに潜ったが、正直言って凶悪すぎる。
出現モンスターがハルマ大渓谷の適正レベル120から240離れた適正レベル360のダンジョンなんて攻略できるものではない。それに、1階はとにかく硬いアイアンゴーレムとメタルガーゴイルのコンボ(討伐適正レベル170)、2階は下級サキュバス(討伐適正レベル90)と上級サキュバス(討伐適正レベル200)の状態異常コンボと、とにかく冒険者を足止めする仕様となっている。アイアンゴーレムとメタルガーゴイルは冒険者が気絶した場合動作を停止するように命令してあり、サキュバスたちも倒れた人間を殺さないように言ってある。
ダンジョン経営で楽して強くなりたいけど、人は殺したくない。
うーん、我ながらいいコンボだ。こんな凶悪なダンジョン誰も攻略できないし、それでも挑む人間のお陰でマナも獲得できてルーンも強化できる。
「お、ルーンが強化可能になったか」
ルーンの強化システムは、[物理攻撃+10%][魔力+10%][俊敏+10%][クリティカル率+10%]などなどのオプションをマナを減らすことで装備していく強化システムだ。
強化オプションには色がついていて、特定の色のオプションを沢山持つと総合効果も発生する仕様だ。俺は適当にルーンをセットし、メニューを閉じた。
「じゃあ、後は頼んだよ」
「はい、わかりました」
俺は後をダークロードバットに任せ、ダンジョンを後にした。
その後、ダークロードバットは後を頼んだという俺の言葉を歪曲して解釈し、いくつもの小ダンジョンを支配下に置いたらしいが、それはまた別の話である...
〈装備ルーン〉 マナ:0/250
[物理攻撃力+50%]消費マナ:50
[物理攻撃力+50%]消費マナ:50
[物理攻撃力+50%]消費マナ:50
[物理攻撃力+50%]消費マナ:50
[魔法防御+20]消費マナ:50
〈ダンジョン状態〉
ダンジョン名:ユカリ謹製魔改造ダンジョン(薄暗い洞窟) Lv:3
総モンスター数:80
階層数:3
平均レベル:150
獲得マナ:100/1d
獲得DP:5/5m
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