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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都学院編

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Ep-48 決闘?乱闘?

最近忙しいです。けれど投稿ペースは乱しません。

翌日。

…最近この表現が多くて日にちが分からないかもしれないが、今日は金曜日だ。

あーイライラする。なんで学校休んでまで反政府組織の抗争に巻き込まれにゃならんのだ。


「…ユカリ様でよろしいか?」

「さっさと案内しな」


このノリ楽しいのは一瞬だけだった。

段々うんざりしてきている。

でもまあ、姐御キャラには憧れるものはある…仕える側の方だが。


「ハンス兄貴を洗脳しやがって、この…」

「御託は後で聞くよ。あたいは早く戦いたいんだ」

「くそが…ハンス兄貴に感謝しやがれ!お前なんてこの場でぶちのめすことだってぶぎゃあああああああ!」

「ガタガタ煩えんだよ!さっさと案内しなと言ってるだろ」

「がああああああ…」


あ、やべ。

俺は門番を蹴ったが、力加減を間違えてしまった。

門番は顔が大きくへこみ歯を撒き散らして吹っ飛び、地面に転がって呻き声を上げ続けている。

これ後で裁判沙汰になるかも知んねえな…今更か?

俺は案内がつかないことを察してドアを蹴破った。


「たのもー!」


一度言ってみたかったんだ、この台詞。


◇◆◇


俺はハンスの組織...(ハンス解放団という名前らしい)の建物内を歩く。

道中睨みつけてくる集団やあからさまな敵意をぶつけてくる奴がいたが全員無視する。ここでの目的は決闘による縁切りのためであり、乱闘ではないからな。

さっさと勝ってこんな面倒臭い集団からおさらばするんだよ。

ハンスの部屋の前は大部屋になっているらしく、決闘はそこで行うそうだ。

四天王形式というわけではなく、みんなの前で俺とハンスが決闘し力を示すというのだ。たしかに、この間はハンスも油断していたし俺も用事があったので片手間だった。お互い本気を出すのはいい機会かもしれない…はずだ。


「待ちなさい」

「なんだ?」

「アタシが案内するわ」

「こりゃご丁寧にどうも」


突然、前から声を掛けられた。若い女が先導をしてくれるという。

だが、その身のこなしや周囲の畏怖が込められた視線で幹部だと分かる。

幹部自らが案内してくれるというのなら、断る理由は存在しない。

俺は大人しく着いて行くことにした。

だが、途中で何かがおかしいことに気付いた。明らかに目的地から外れていること、進む先に潜む大量の気配。さらには無駄な遠回りを繰り返していることにも気付いていた。その際に誰かとすれ違い、女が目で合図をしていたことにも気づいた。


(罠、か…)

「着いたわよ、この先が親分の部屋の前、大広間」


普通に考えれば親分の部屋を地下に作る理由はないし、そもそもここはさっき通った廊下だ。大方俺が何も言わないのを見て気づいてないと思ってるだろうが、策に乗ってやってるだけだ。物事を捻じ曲げて考えるこいつらに少しお仕置きをしたくなった。それにこいつらは異分子だ。この先のイベントで邪魔になるかもしれない。全員潰した方がいいのかもなあ…

そんなことを思いつつ、俺は大広間?へと入る。

予想通り中は真っ暗で、ハンスの姿は見えない。


「おやおや?真っ暗だぞ」

「では灯をつけさせよう」


俺が暗いと指摘すると、前方で明かりが灯る。

そして、時計回りに明かりが点灯して行き、部屋を明るく照らし出した。

照らされた部屋の中には…


「驚いたかい?決闘なんて信じてノコノコやってきたアンタが馬鹿みたいで笑えるよ」

「いや、この程度で驚く方がなあ…」


部屋の中には、前から気づいてはいたが数十もの人間が待ち伏せしていた。

たしかに、目の前の女が調子づくには充分な態勢だな。

まあ余裕だけど。魔物数十匹に囲まれた方がまだ恐怖がある。


「虚勢を張るんじゃないよ!あんたがいかに強力な魔法使いだったとしても詠唱する隙は与えないし…やりな!」

「アンチマジックフィールド!」


女が命じると、魔術師らしい風貌の部下が魔法を唱える。

すると、周囲に透明の膜が発生し、部屋の枠に収まって固定される。

アンチマジックフィールドはそのフィールド内の魔法を霧散させる魔法…だったかな?

これは要警戒だ。


「これで魔法は使えないねぇ!さあ、命乞いをして親分に二度と近付かないなら助けてやるよ?」

「仮に助けてもらったとして、アタイは無事に帰れんのかい?」

「嫌だね。せいぜい団の皆の慰み者がオチだね!」

「じゃあ断る!」


いやー、こいつらって何で平気な顔して慰み者とか言えるんだろうか。

勿論奴隷エンドなんてお断りだ。

こっちは五体満足で元の世界に帰るからな。


「へえ、この絶体絶命のピンチでまだ虚勢を張れるのかい…お前ら、やっちまいな!」

「「「うおおおおおおおおおお‼︎」」」


女は俺が断ると言った瞬間、驚愕の表情を浮かべたが数秒後には元の余裕顔に戻り、後ろの部下達に命令を下した。

一斉に部下達が俺に殺到し…

俺はその波に飲み込まれる。波の中で部下達が全員で俺を殴りつける。

しかし事前に張っているロングディフェンシブエンチャントというスキルにより俺はダメージを受けない。そろそろ反撃といかせてもらおうか!


「大円脚!」

「ぐああああああああっ!?」

俺は渾身の力で立ち上がり、群がる部下達を〈拳闘士(グラップラー)〉のスキルである大円脚で吹き飛ばす!そして、吹き飛ばされた部下も同様に武器となる。大円脚は、吹っ飛ばした敵を敵に突っ込ませてダメージを与えるスキルだからだ。

たった一つだけのスキルの使用で乱戦の中にポッカリと穴ができる。


「この程度の奴らとはアタイも舐められたもんだなぁ!クラフトウェポン、レッカーの魔導書!」


俺は魔力を大きくブーストしてくれるレッカーの魔導書でアンチマジックフィールドを破ろうと企み、レッカーの魔導書を呼び出した。


「ケイオスフレア!」


すると、魔術を使った瞬間にアンチマジックフィールドがバチン!と歪んで捻じ切れ、レッカーの魔導書から余剰の魔力が噴き出す。それらは全て使った魔術に変換され…


「伏せろ!」


チュドオオン!


普段はステータスを考慮して抑えていたスキルや魔法だが、

ゲーム時代のアンチマジックフィールドの強力さから全力でスキルを放ってしまったが…これ、スキルレベルが相当に低いな。ケイオスフレア使った瞬間に捻じ切れた…本来であればレベル300くらいまでの魔法を完全に無効化できるスキルなのだが、無駄に警戒しすぎた…


「なっ…なぁあああ⁉︎」

「魔力霧散領域が破られました…!イルマ姉貴、あいつ強すぎます!」

「ええい、お前ら怯むんじゃないよ!さっさと行きな!」

「へ、へい!」


どうやらまたかかって来る気らしい。

しかしバラバラにかかって来ると手加減が難しいな。


「ドッペルシャドー!…死なない程度にぶちのめせ!」

「了解しました。鎮圧シーケンスを実行」


俺と背中合わせになるような形で“影ユカリ”がヌッと現れる。

こいつは呪王の仮面と同じく機械的だ。明確に指令しなければ対象を殺してしまうだろう。しかし、明確に殺すなと言えばこれ以上強力なスキルはない。

なんせ隙のない完璧なAIだからな。

さあ、本当のバトルタイムだ。


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一度侮らせてから本気出すパターンって、某ピアノユーチューバーのようだ。
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